言語は音声が本体であり,その学習は音声によって行われるのが自然であるから,小学校における外国語活動が,音声に親しむことを第一の目標として導入されたのは,合理的なことであった。しかし実際の外国語学習は,調音と知覚の両方で最小となる音素単位で行う方が望ましいのか,あるいはより大きな単位である音節単位での学習が良い結果を生むのか,具体的なデータに乏しかった。本研究では破裂子音のみがミニマルペアとなる語と,後続母音と共に音節単位でミニマルペアとなる語を提示して記憶する学習実験を行い,その成績を比較した。結果は音節単位の方が良好であり,いわゆる音素認識に過度にこだわる必要が無いことが示唆された。
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