研究課題/領域番号 |
21K00741
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
堀 智子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (00269789)
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研究分担者 |
遠山 道子 文教大学, 経営学部, 准教授 (30439343)
杉浦 香織 立命館大学, 理工学部, 准教授 (50515921)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 英語イントネーション / 音声知覚 / ピッチジェスチャー / 日本人英語学習者 |
研究実績の概要 |
本研究は「ジェスチャーが言語理解に加えて第二言語(L2)習得を促進する」という先行研究に基づき、(1)ジェスチャーが日本語話者の英語イントネーション習得に与える効果と、(2)その効果を高める条件を明らかにし、効果的なイントネーション指導法開発の基盤づくりを目指している。2021年度はピッチジェスチャー(音声ピッチの上下変動に合わせて手を上下に動かす)が日本語話者の英語イントネーションの知覚に与える影響をKelly et al. (2017)の研究を基に検証した。音声単独の知覚実験(Hori et al., 2021)では、下降調がもっとも正答率が高く、上昇調、下降上昇と続くこと、また上昇調はトレーニングによっても正答率向上が困難なことが明らかになっている(Akatsuka et al., 2018)。 本実験では80名の日本語話者が2つのグループに分かれ、一方は単語レベルの音声、他方はセンテンスレベルの音声を、3種類(音声のみ、音声と音声ピッチの動きと一致したジェスチャー、音声と音声ピッチ動きと一致しないジェスチャー)の条件で提示する動画で視聴し、イントネーションパターン(上昇調、下降調、下降上昇調)を選択した。正答率の分析から、イントネーションパターンの知覚は、ピッチの動きと一致したジェスチャーと音声を提示した場合がもっとも正答率が高く、次いで音声のみ、そしてピッチを一致しないジェスチャー付き音声となった。このことより、ピッチジェスチャーがピッチ変動と一致する場合に英語イントネーション知覚を高め、一致しない場合は知覚を阻害する効果があることを確認した。また、正答率は下降調がもっとも高く、上昇調、下降上昇と続くこと、さらにピッチに一致するジェスチャーを音声につけると、日本人英語学習者が苦手とする上昇調においても、単語・センテンスの違いに関わらず、正答率が有意に向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、2021年度はピッチジェスチャー(音声ピッチの上下変動に合わせて手を上下に動かす)が日本人英語学習者の英語イントネーションの知覚に与える影響をKelly et al. (2017)の研究を基にした実験により確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度はまずピッチジェスチャーが、英語イントネーション産出(発音)に与える効果を確認し、知覚実験結果との比較分析を行う。また、ジェスチャーを用いたイントネーショントレーニングを一定期間を行い、その学習効果についても検証する。その後、ジェスチャーの種類(手のひらを下向けた上下運動 vs.指で指揮者のように線を描く動き)や、ジェスチャーの使い方(ジェスチャーを見せる vs. ジェスチャーを真似させる)の違いによる効果と参加者の英語力の影響も確認する。最終段階では実験結果をもとに効果的な指導法や教材開発への方向性を検討し、ジェスチャーを用いたトレーニング動画の試作を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で、予定していた研究打ち合わせ、学会、研究会、が全てオンラインになり、旅費等の支出が不要となったため。
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