研究課題/領域番号 |
21K00934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サッチャリズム / 1970年代 / 民衆的個人主義 / エゴドキュメント / コミュニティ・アクション |
研究成果の概要 |
本研究は、インナーシティ問題を背景として登場してくるコミュニティ・アクションを対象に、戦後イギリス史の分水嶺を形成する1970年代の状況を「下から」のアプローチによって解明しようとするものである。戦後史の研究は、同時代の資料公開が進むなかで本格的な歴史研究が試みられるようになっているが、コミュニティ・アクションは戦後福祉国家史の転換点となるとともに、1970年代の転形期のアモルファスな社会意識を集約したものであり、それをオーラルヒストリーやエゴ・ドキュメントなどの民衆的アーカイヴを活用することにより明らかにした。
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自由記述の分野 |
イギリス現代史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、コミュニティ・アクションの活動家のオーラルヒストリーとエゴドキュメントを用いてロンドン・ノッティングヒル地域での運動の展開を史料的にあとづけた。第一段階は1960~1970年代初頭の「抵抗型」の運動で、第二段階は1975年~1980年代にいたるもので、「提案型」の運動が展開された。後者の時期には、初期の運動の成果として開発計画が頓挫したあとに、政策の「真空地帯」が創出され、そこにコミュニティ・アクションの側が計画の構想と立案をおこなっていった。新自由主義下の地域活動として称揚されることもあるコミュニティ・アクションであるが、それが抱える課題に対しても歴史的展望を与えることができた。
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