研究課題/領域番号 |
21K01052
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
山本 匡毅 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (30455555)
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研究分担者 |
近藤 章夫 法政大学, 経済学部, 教授 (60425725)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国土周辺地域 / 航空機産業 / 宇宙産業 / 業態転換 / 新規参入 / 新型コロナウイルス / スタートアップ企業 |
研究実績の概要 |
2021年度は、国土周辺地域の航空宇宙産業に関する定量的分析として、既存統計の分析を行った。航空宇宙産業の既存統計は多岐に亘っているが、産業空間という観点から分析したものは、管見の限り少なかった。そこで、中心・周辺論を理論枠組みとしつつ、航空宇宙産業が国土の周辺地域への立地が進んでいることを、機械統計等を活用し、特化係数法等を用いて、統計分析から空間構造を解明した。 また国土周辺地域の航空宇宙産業に関する定性的分析については、新型コロナウイルスの環境で厳しい条件であったが、九州のシンクタンクの協力を得て、九州地方の宇宙産業の展開についてヒアリング調査を、さらに山形県の産業支援機関の協力を得て、山形県内航空機関連企業のヒアリング調査を実施した。九州地方の宇宙産業の活動はスタートアップ企業を中心に活発であり、地元中小製造業を巻き込んだクラスターを形成し、成果を出しつつあった。他方で山形県の航空機関連産業は、新型コロナウイルスによる航空機不況の影響を受け、経営が厳しい状況があり、一部で業態転換の試みもなされていた。 航空宇宙産業における中小企業、加工技術に関する新聞記事、専門誌分析は、適宜、情報収集を進めてきた。ただし、民間航空機産業については、航空機不況の影響で記事自体が少なくなっている。そのため、新聞記事等が宇宙産業に偏る傾向があった。その中で、北海道における航空機部品産業への新規参入が明らかになった。将来的には空飛ぶクルマにも展開するようであるが、今後、研究において注意しなければならない取り組みである。 これらの研究の成果として、論文2本を公刊することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は研究代表者が現任校へ着任1年目のため、授業準備等で時間に制約が多く、当初予定していたアンケート調査の実施が出来なかった。また研究分担者も学内業務のため、ヒアリング調査を積極的に関与することが難しかった。ただそれ以外の調査研究は、新型コロナウイルスの制約下であったが進めることができ、一定の成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は定量的分析として、アンケート調査の実施を行う予定である。また、国土周辺地域の航空宇宙産業の定性分析を進めるために、新型コロナウイルスの動向に注視しつつ、全国でヒアリング調査を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は研究代表者が本務校への着任初年ということで、学内業務が多く、アンケート調査を実施できなかった。加えて研究分担者が2021年度に学部の要職に就いたため、出張がままならず、調査の遂行が計画通りに進まなかった。そのために繰り越しが多く発生した。2022年度はアンケート調査を着実に実施するとともに、定性分析を計画的に進めていく。
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