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2023 年度 実施状況報告書

国土周辺地域における航空宇宙産業の立地と再編に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01052
研究機関高崎経済大学

研究代表者

山本 匡毅  高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (30455555)

研究分担者 近藤 章夫  法政大学, 経済学部, 教授 (60425725)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードボーイング社 / 新型コロナウイルス / グローバルサプライチェーン / 受注回復 / 減産 / 地場調達化
研究実績の概要

今年度は国土周辺地域の航空宇宙産業の調査を進めた。主に東北地方の航空宇宙産業を重点的に調査したほか、群馬県の宇宙産業の調査も行った。調査はヒアリング調査による質的調査とした。
調査の結果、国土周辺地域である山形県では、1980年代から航空機産業に関わっている企業では、順調に受注が回復していた。また2000年代から2010年代に新規参入した航空機産業の企業のうち、Tierが高い企業で、かつ発注企業が航空機産業においてポジションを得ている企業では、2023年中頃から急速に受注の回復が見られた。他方で、同様の新規参入企業であっても、発注元の航空機産業におけるポジションが低い場合には、仕事が出てきていない状況である。さらに受注の回復は、機体、装備品が早く、内装品が遅れるということも明らかになった。ただし、ボーイング社のトラブルの影響で、一部の企業では減産の影響が出ており、グローバルサプライチェーンの影響を直接的に受けていた。このような経緯から、山形県内の航空機関連企業1社では、航空機の受注を中断し、元々の業種の事業に集約していた。
宇宙産業では、群馬県内でJISQ9100を持たない中小企業のうち、複数社で大手重工メーカーから受注を受けていた。量的には多くないものの、サプライヤーが東京都周辺に多い大手重工メーカーの地場調達化を確認することができた。
かかる結果から、中心地域(関東地方)では、中核企業の立地という優位性から宇宙関連の仕事が出ていたが、国土周辺地域であり、中核企業がない東北地方では、航空機関連の仕事の戻りに波があり、加えてTierのポジションで仕事量が異なっていた。このことから国土周辺地域への航空宇宙産業の立地は変化しつあり、中心地域からみて競争力に課題があることが浮き彫りになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、学内で大学院改革が始まり、その担当になったこと、および全学の学長直属の委員会委員になったことから、従来業務より学内業務が倍増した。さらに10月以降は転出する関係で、その準備にも追われた。そのため、研究に割ける時間が限られ、研究の進捗が遅れた。

今後の研究の推進方策

最終年度である2024年度は、当初の計画通り、アンケート調査を行いたいと考えている。それによって、全国の航空宇宙産業がどのようなサプライチェーンを組んでいるのが定量的に明らかになるものと考えている。また国土周辺地域でありながら航空機産業で活況を呈している北海道、長崎県のヒアリング調査を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

既に述べたように、2023年度は学内の委員会業務が2倍となり、研究に割く時間が大幅に減少した。また2024年3月に転出することとなり、その準備にも時間を要した。その結果、2024年度に使用せざるを得なくなった。
2024年度はアンケート調査に重点を置きつつ、定性的調査も併せて進めていきたい。

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公開日: 2024-12-25  

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