研究課題/領域番号 |
21K01081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 さゆり 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (40447503)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ビルマ / ミャンマー / 古典歌謡 / 竪琴 / 楽譜 / 記憶 / 口唱歌 / 口頭伝承 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、ビルマ古典歌謡の伝承手段である口唱歌と口唱歌が伝える音楽構造を記述・分析し口頭伝承の構造を明らかにすることである。口唱歌とは楽器音を言葉で伝えるもので、世界各地の音楽伝承で見られる伝承手段である。本研究ではフィールド調査を2回実施し、口唱歌とそれに対応した音楽の最小単位である「アクウェッ」との関係に焦点を絞ってその記述と分析を進めた。その結果、数多くの「アクウェッ」が伝承の中で奏者に記憶されることによって、口唱歌でそれを指示するだけで音楽を伝えることが可能となり、また同一の「アクウェッ」の多数のバリエーションも記憶することによって演奏時の即興性が出現することを明らかにした。
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自由記述の分野 |
音楽、民族音楽学、文学、文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音楽伝承に関する研究は音楽学や民族音楽学、文化人類学の分野で大きな関心のひとつである。本研究では、現在に至るまで伝承され演奏されているビルマ古典歌謡が、伝承され記憶されることを可能とする音楽構造と伝承の仕組みを、口唱歌と「アクウェッ」と呼ばれる音楽の最小単位の関係に着目して分析した。口承の構造を具体的に明らかにした点で、音楽伝承研究における学術的意義があるといえよう。また、特定地域や集団の文化の伝承が、構造を持った記憶を伝え、それを伝承される側が蓄積していくことによって為されることを明らかにしたことは、昨今特に唱えらえる多様性を考える上でも有意義である点で社会的意義があると考える。
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