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2022 年度 実施状況報告書

会社の組織行為の救済方法の総合的検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K01261
研究機関同志社大学

研究代表者

舩津 浩司  同志社大学, 法学部, 教授 (80454479)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード会社の組織行為 / 組織行為の無効の訴え / 新株発行無効の訴え / 特殊の新株発行
研究実績の概要

当年度は、前年度に実施した、会社法828条の無効の訴えの対象となる「会社の組織に関する行為」の特徴の抽出を踏まえて、特殊の新株発行という素材を通じて、会社の組織行為の無効の訴えの対象とすべきか否かを検討した。
すなわち、会社法828条の新株発行無効の訴えは、通常、会社法199条以下の定めに基づき実施される募集株式の発行が念頭に置かれているが、それ以外の会社の設立や合併、新株予約権の行使によるもの、取得条項や取得請求権の行使に基づくものなど、いわゆる特殊の新株発行が828条の無効の訴えの対象となるかを分析した。
かかる分析は、「株式の発行」という経済的には同一の事象を生じさせる複数の行為のうち、どの行為を組織行為の無効の訴えの対象と捉え、どの行為を対象外と捉えるか、そのメルクマールは何かを分析するものであり、「株式の発行」という事象に限定されるものの、本研究課題の核心的な問いである「組織行為の無効の訴えの対象となる行為の範囲」を画するうえで極めて重要な成果である。また、「株式の発行」という特定の事象に関するものであるとはいえ、その対象となる行為は、合併・株式交換・会社分割、取得条項付株式・取得請求権付株式、新株予約権、設立、株式併合・株式分割等、会社法828条が定める「組織行為」のみならず、それ以外の会社の行為を含めて包括的な検討を行うものであり、本研究課題の核心部分を形成する成果であるといってよい。

加えて、当年度において、株主の救済手段として組織行為の無効の訴えの代替となりうる、市場を通じた解決のあり方も検討を行った。具体的には、子会社上場を素材として、市場メカニズムを通じてどこまで株主(子会社および親会社の両方)の保護が図れるかの現状分析を加えつつ、その改善提案について、研究会において報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「株式の発行」という特定の事象に限られるものではあるが、合併・株式交換・会社分割、取得条項付株式・取得請求権付株式、新株予約権、設立、株式併合・株式分割等、会社法828条が定める「組織行為」のみならず、それ以外の会社の行為を含めて包括的な検討を行う本研究課題の核心部分を形成する成果の取りまとめ作業を実施中であるため。

今後の研究の推進方策

当年度の研究の実施によりある程度の結論が得られた成果について、翌年度(2023年度)に論文を公表する。
また、当年度の中心的主題は株主の利益保護という観点であったが、翌年度以降は、株主以外の利害関係者保護にも拡張して検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究推進場の都合から、当年度は日本法の分析を中心に据えたため、外国法文献等の購入が少なかったために差額が生じている。次年度において、外国法文献の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 上場子会社に対する規律の現状と制度改正に向けた着眼点2022

    • 著者名/発表者名
      舩津浩司
    • 学会等名
      日本取引所グループ金融商品取引法研究会

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公開日: 2023-12-25  

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