研究課題/領域番号 |
21K01305
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
中條 美和 津田塾大学, 総合政策学部, 准教授 (90707910)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 政治的信頼 / 行動選択 / COVID-19 |
研究実績の概要 |
本研究はResearch Question「自己の正当化の手段としての政治的信頼・政治的不信というものがありえるか」を明らかにすることを目的とし、2021年度中にはCOVID-19の事例を用い、「マスク着用や外出自粛という行動選択が政治的信頼につながる」という仮説を実証するためWeb調査実験とWeb教室実験を行う予定であった。ただし2021年度においてはCOVID-19による渡航制限が緩和されず、アメリカおける教室実験計画がかなわかったため、研究実施前段階として蓄積された研究のブラッシュアップに務めた。 特に前段階研究として2020年に実施した調査(18K01446「行動選択が政治的信頼に与える影響―2011年東日本大震災後の首都圏住民の行動」)で得られたデータをもとに再分析と理論の再構築を行い、因果関係をより分かりやすく表現するなど、2022年4月開催のアメリカ中西部政治学会での発表準備を行った。 前段階研究の結果として、2011年の東日本大震災による原子力発電所事故後に首都圏にとどまった住民は2020年の段階でも当時の民主党政権を自民党政権より好意的にみる傾向があること、つまり行動制限となる行為を選択した市民は当時の政府を好意的にみる傾向があることが示されており、本研究の仮説「自己の正当化の手段として政治的信頼がある」を裏付ける、否定しない方向にあることが実証されている。 しかしながら、過去の事例において因果関係の厳密な成立を証明するためには調査分析手法に工夫が必要であり、本研究では現在の事例であるCOVID-19対策としてのマスク着用有無と政治的信頼の調査、さらに実験によって因果関係を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度中に、日米におけるWeb調査実験とWeb教室実験をアイオワ州立大学にて実施予定であったが、渡航制限が緩和されなかったことから渡米による打合せと実験の具体化がかなわず、2022年度以降に持ち越すため。
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今後の研究の推進方策 |
渡航制限やCOVID-19の状況を見つつ、2022年度から2023年度にかけて日米におけるWeb調査実験とWeb教室実験を行う。そのために、2022年度夏には日本においてプレ調査やプレ実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた2021年度中に実施予定のWeb調査実験やWeb教室実験を2022年度以降の実施と変更するため
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