本研究の目的は第1に、機関投資家の株式保有を通したモニタリングが投資先企業のイノベーション創出に与える効果を明らかにすること、第2に機関投資家のエンゲージメント活動の選択要因と、その投資先企業に対する効果を明らかにすることである。本研究の成果は、機関投資家はその性格や制度的背景に応じて投資先企業のESG(環境、社会、ガバナンス)のそれぞれに対して異なる影響を持つこと、ガバナンス面のエンゲージメント活動は投資先業のガバナンスと収益性を改善し、環境・社会面のエンゲージメント活動は投資先企業の環境、社会面の活動の改善効果を持つことを実証的に明らかにしたことである。
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