本研究では信用リスク評価の理論的枠組みである構造型アプローチの下で,従来の評価手法が対象としていた倒産事象である債務超過だけでなく,資金繰り難も評価対象とする新たな数理モデルを提示した。また,財務時系列データを入力情報とし,長短期記憶モデル(Long-short term memory, LSTM)を分類器として採用した信用リスク評価モデルを構築した.構築したモデルの性能検証を通して,中長期の財務情報が信用リスク評価において有用であることを確認した.さらに,企業経営者のもつ景況感に基づいて倒産発生の先行きを予測するモデルを構築した.
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