研究課題/領域番号 |
21K01568
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研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
戸辺 玲子 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (90647281)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 国債流通市場 / レポ取引 / 流動性 |
研究実績の概要 |
2023年度は、国債流通市場の流動性について、日本銀行(日銀)の政策に注目しながら、理論・実証の両面から研究を進めた。日銀は、量的質的金融緩和政策を継続的に実施しており、このため国債市場の流動性は2013年以降低下した。しかし、一方で日銀は保有している国債の貸出制度を設けることで、流動性の向上もおこなっている。この2つの政策の相互の関係性について明らかにするため、日銀を、国債市場における貸し手としてsearch-theoretic modelに導入し、その影響を理論面から考察した。さらに、実際のレポ市場のデータを用い、日銀の政策がレポ市場の取引行動にどのような影響を与えたのか、示した。 これらの研究は、European Financial Management Association 2023 Annual Conference(2023年6月)と日本金融学会2023年度秋季大会(2023年9月)にて報告した。また、"Central Bank Asset Purchases and Lending: Impact on Search Frictions"とのタイトルで、Journal of Financial Intermediationに掲載されることが決まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、国債レポ市場の流動性に関する研究成果をまとめることに注力することで、論文としてまとめることができたが、一方で、財務省の補完供給に関する研究には手がまわらなかった。
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今後の研究の推進方策 |
財務省の追加供給と国債市場の流動性の関係性について、理論と実証の両面から研究を進める。新型コロナ・パンデミックが与えた国債市場への影響については、国債フェイル件数の増加した2020年上半期に特に注目して分析をおこなう。特に、財務省の追加供給や日銀の国債補完供給が市場の混乱を抑える力をもつのか、現物国債の価格やレポ貸借料を分析することで明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度から2022年度にかけて、国内・海外学会のオンライン開催が多く、予定していた海外学会出張ができなかった。未使用額は、今年度の出張費等として有効に使用する予定である。
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