研究課題/領域番号 |
21K01592
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
星河 武志 近畿大学, 経済学部, 教授 (20467674)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ETF買入政策 |
研究実績の概要 |
本研究「日本銀行のETF買入政策に関する研究」では、(1)ETF買入政策は株価に効果があったのか、(2)日銀のETF保有額が増加するなか価格変動による評価損益のリスクへの対処はどのように行うべきか、(3)出口戦略はどのようなものが考えられるか、という3つの問いに答えるべく研究を行う。日本銀行は非伝統的金融政策の一環として2010年12月から指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買入政策を行っている。本研究「日本銀行のETF買入政策に関する研究」では、(1)ETF買入政策の効果、(2)ETF保有に伴う評価損益への対処、(3)出口戦略の3つの項目に焦点を当て研究を行う。順に紹介すると、第一にETF買入政策の株価への効果および株価のボラティリティへの効果はどの程度あったのかという点について効果の検証を行う。 2021年度は関連する先行研究に関するサーベイとデータの整備および分析を行う予定であった。先行研究に関するサーベイとデータの整備は完了し、「ETF買入政策は株価に効果があったのか」に関する実証分析を行った。いくつかの問題が発生したものの、対処を行い暫定的な分析結果が得られた状態である。もう少し精緻化した分析を行う必要がある。海外での学会発表等は本年度は行っていない。今後、学会等で報告し、専門家からの指摘を受けて改善した後に論文として投稿したい。 その他として、本研究から派生した論文"Global Financial Crisis and Demand for the US Dollar as an International Currency"( with Kazuyuki Inagaki)を執筆した。この論文は次年度以降に書籍に掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は関連する先行研究に関するサーベイとデータの整備および分析を行う予定であった。先行研究に関するサーベイとデータの整備は完了し、ETF買入政策は株価に効果があったのかに関する実証分析を行った。いくつかの問題が発生し、対処を行い暫定的な分析結果が得られた状態である。今後、論文投稿を行い、査読者の意見などを取り入れて改善していきたい。 新型コロナ流行の鎮静化を待つことにして海外での学会発表等は本年度は行っていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は前年度に引き続き、ETF買入政策は株価に効果があったのかに関する実証分析を完成させ論文投稿を行う。新型コロナの流行状況を見ながら、海外での学会発表等を検討したい。続けて、日銀のETF保有額が増加するなか価格変動による評価損益のリスクへの対処はどのように行うべきかに関する実証分析を行い、論文執筆を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ流行の状況を見て2021年度は海外出張を見送ったため。ただし、時期をずらして今後海外出張を行う予定である。
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