本研究は、主に全世界の半導体メーカーを対象として、企業における資源の再配置の詳細を独自のデータセットを用いて分析した。結果として、事業の完全な撤退と新規事業参入を伴うドラスティックな形よりも、それらを伴わない緩やかな形の資源の再配置の方が顕著に観察されることや、再配置されやすい発明者の特徴として、発明者ネットワークの中で相対的に重要性が低い場所に位置していることや、生産性が低いことなどが明らかになった。また、余剰資源(お金)の再配置の詳細を日本のエレクトロニクス企業を対象に分析したところ、好業績時の撤退によって生じたであろう余剰資源が将来の成長のために使われた可能性が低いことが分かった。
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