研究課題/領域番号 |
21K01657
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
立福 家徳 日本大学, 法学部, 准教授 (10723083)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 非営利組織 / 寄付 / 社会的インパクト |
研究実績の概要 |
本研究は、非営利組織の活動について評価を通じて、それが活動と資金調達に与えた影響について、寄付者の行動に注目して明らかにすることを目的としている。 また、その成果はSDGs等で社会的課題解決に取り組む社会的要請を受けている営利企業にとっても株主・消費者への公表方法という点から有用であると考えている。 そのため本年度は、先行研究サーベイ、分析モデルの構築についての検討、寄付に対するWEB調査の設計を行い実施した。 Web調査は、非営利組織の評価をはじめとした情報開示に関する寄付者のデータは十分に整備されているとは言えないとの問題意識から、必要とする非営利組織の情報に加えて、基本属性(性別、年齢)、社会経済的要因(所得、学歴、職業)などの基本的な項目はもちろんのこと、行動経済学における実験調査の知見も活用した調査票を設計した。調査設計については、内閣府における統計調査の標本設計を参考として、2,000人を対象としたサンプリングを実施した。なお、本調査は寄付経験のある十分な対象者を確保するため、調査会社に実査を委託して、そこに登録されたモニターを対象に行った。 また、寄付やNPOの状況について把握するために、NPO法人の職員を始め、関係者へのヒアリングを実施し、その地域の課題、地域住民や寄付者の意識や寄付への動向などについて現状把握に努めた。また、日本社会関係学会や日本NPO学会など関係学会にも積極的に参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
寄付に対するWEB調査は当初の予定通り実施でき分析も進んでいる。一方で新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、対面での交流が制限されたことにより、ヒアリングや評価の実践部分についての調整がスムーズにいかない面があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、NPO関係者へのヒアリング調査を実施し、評価の実践を通じた資金調達の手法の検討を行う。加えて、評価コストの負担を軽減するために、評価の実践を通じた課題の抽出とより一般的な実施方法について、学術的な見地から整理・検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
事業者との調整の結果当初予算よりもWeb調査が安価に実施できたこと、さらに新型コロナウイルス感染拡大によりヒアリングが制限され、旅費と謝金の支払が生じなかったことによる。 未使用の旅費謝金については次年度以降実施する調査に利用するとともに、Web調査の分については、次年度以降必要な追加調査に用いる予定である。
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