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2022 年度 実施状況報告書

地域コレクティブ・インパクトとバックボーン組織形成の動態モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K01665
研究機関近畿大学

研究代表者

吉田 忠彦  近畿大学, 経営学部, 教授 (20210700)

研究分担者 山田 雄久  近畿大学, 経営学部, 教授 (10243148)
東郷 寛  近畿大学, 経営学部, 准教授 (10469249)
後 房雄  愛知大学, 地域政策学部, 教授 (20151855)
團 泰雄  近畿大学, 経営学部, 教授 (60298502)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードコレクティブ・インパクト / バックボーン組織 / 支援組織 / 支援システム / 組織動態
研究実績の概要

コレクティブ・インパクトがどのように形成され、そしてその姿を変えていくかをモデル化することを試みる研究のために、文献調査によって先行研究を分析するとともに、実際のコレクティブ・インパクトに該当するケースについていくつかのケース調査を行なった。
先行研究については、主にスタンフォード大学を中心としたアメリカにおける研究をレビューし、それが静態的な分析に止まっている点を確認し、組織間関係論や組織変動論、さらには社会運動論に関する先行研究についてもレビューした。それらについての中間報告は、論文にまとめ公刊した。また、一部は書籍として刊行した。
一方、実際のケースについての研究は、まだ本格的なコレクティブ・インパクトが日本では見られないものの、その柱とされているバックボーン組織について、NPOの中間支援組織について、日本におけるその成立過程を歴史的研究として行った。具体的には、日本における中間支援組織の先駆と目されている神奈川県の「まちづくり情報センターかながわ」(通称アリスセンター)を詳細に調査・分析した。その一部はモノグラフとして紀要に連載で発表し、理論的考察の一部は学会で報告、査読論文として掲載された。
この1年もなおコロナ感染拡大防止の観点から、調査対象としていた団体の活動自体が自粛されたりしたため、当初の調査計画を変更さざるを得なかった。しかし、ZOOMによるオンラインのインタビューを活用し、ヒアリング調査は一定の成果を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この数年はコロナ感染拡大防止の観点から、調査対象としていた団体の活動自体が自粛されたりしたため、当初の調査計画を変更さざるを得なかった。しかし、ZOOMなどオンラインのインタビューを活用し、ヒアリング調査は一定の成果を得ることができた。
また、調査対象の団体との信頼関係を形成することができ、インタビュー以外にも貴重な資料の提供を受けることができ、資料収集が進んだ。

今後の研究の推進方策

コレクティブ・インパクトへの注目度が上がっており、日本においても本格的なケースが立ち上がりつつある。こうした初期段階からの動きを観察することによって動態的な分析を行うことを目指している。
他方で、コレクティブ・インパクトの要とされるバックボーン組織については、日本で中間支援組織と呼ばれるものが類似した役割を担ってきたことから、すでに一定の活動を積み重ねてきた実績のある団体のこれまでの活動や発展または衰退の様子を観察することで、コレクティブ・インパクトやアックボーン組織の動態を組み合わせて分析することができると考えている。

次年度使用額が生じた理由

理由:数年間続いたコロナ感染拡大予防の対応のため、予定していた海外調査や国内調査が制限されたことが大きい。また、当初は現地に出張してインタビュー調査等を行う予定だったものが、ZOOMなどを利用したオンラインによって行うことになり、国内旅費の支出があまりなかったことがある。

計画:ZOOMを利用して行ったインタビュー調査については、その反訳作業が必要であり、その支出は次年度で行う予定である。また、オンラインではなく、現地に赴いての観察などを次年度で行うためにその旅費を支出する予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 7件、 査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] アリスセンターの設立と事業展開―中間支援組織の解体のために―(下)2023

    • 著者名/発表者名
      吉田 忠彦
    • 雑誌名

      商経学叢

      巻: 69-3 ページ: 181-228

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] The relationship between non-profit board governance and Human Resource Management: A comparative longitudinal analysis of Japanese small Non-Profit Organizations2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Togo, Yasuo Dan
    • 雑誌名

      Proceedings of the 38th EGOS Colloquium

      巻: 2022 ページ: 0-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Writing the Collective History: The Analysis of Traditional Industrial Clusters through Actor-Network Theory2022

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Inoue, Hiroshi Togo, Takehisa Yamada
    • 雑誌名

      Proceedings of the BAM2022 Conference

      巻: 2022 ページ: 0-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] NPO支援組織と制度ロジック変化 ―アリスセンターのケース―2022

    • 著者名/発表者名
      吉田 忠彦
    • 雑誌名

      非営利法人研究学会誌

      巻: 24 ページ: 35-49

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アリスセンターの設立と事業展開―中間支援組織の解体のために―(中)2022

    • 著者名/発表者名
      商経学叢
    • 雑誌名

      吉田 忠彦

      巻: 68-3 ページ: 407-440

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 非営利組織の人的資源管理研究の展開―戦略的人的資源管理論を中心に(中)2022

    • 著者名/発表者名
      東郷 寛, 團 泰雄
    • 雑誌名

      商経学叢

      巻: 68-3 ページ: 165-189

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 市民活動支援をめぐる施設、組織、政策 -アクターネットワーク理論の視点ー2022

    • 著者名/発表者名
      吉田 忠彦
    • 雑誌名

      非営利法人研究学会誌

      巻: 20 ページ: 57-73

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 日本におけるNPO支援組織の制度化とロジック変化2022

    • 著者名/発表者名
      吉田 忠彦
    • 学会等名
      日本NPO学会第24回研究大会
  • [学会発表] ソーシャル・アントレプレナーシップと協働,そしてコレクティブ・インパクト2022

    • 著者名/発表者名
      井上英之, 佐々木利廣, 吉田忠彦, 小室達章
    • 学会等名
      日本NPO学会第24回研究大会
  • [学会発表] The relationship between non-profit board governance and Human Resource Management: A comparative longitudinal analysis of Japanese small Non-Profit Organizations2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Togo, Yasuo Dan
    • 学会等名
      the 38th EGOS Colloquium
    • 国際学会
  • [学会発表] Writing the Collective History: The Analysis of Traditional Industrial Clusters through Actor-Network Theory2022

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Inoue, Hiroshi Togo, Takehisa Yamada
    • 学会等名
      BAM2022 Conference
    • 国際学会
  • [図書] 日本のコレクティブ・インパクト2022

    • 著者名/発表者名
      佐々木 利廣、横山 恵子、後藤 祐一、吉田忠彦
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      中央経済社
    • ISBN
      978-4502397219

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公開日: 2023-12-25  

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