本研究の目的は、グローバルタレントマネジメント(GTM:Global Talent Management)が多国籍企業の海外子会社のタレントの行動に与える影響を明らかにすることにある。社会交換理論を用いて、GTMと多国籍企業の海外子会社間の水平的知識移転の関係およびその関係における本社の関与の媒介役割に焦点を当てた概念フレームワークを構築し、アジア地域・欧州地域に進出している日系企業を対象とした定量調査を実施した。パス解析の結果、GTMと水平的知識移転の関係は本社の注目と業績評価基準によって完全に媒介されていたが、社会化メカニズムは媒介していないことがわかった。
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