研究課題/領域番号 |
21K01801
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
小澤 義昭 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (40570205)
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研究分担者 |
浅野 信博 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (10319600)
廣瀬 喜貴 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (90760265)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 監査人の交代 / 実験的アプローチ / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、「わが国における監査法人の交代の際に、クライアント企業に関する情報の引継ぎが実際にどのレベルで実施されるのかどうかについて、過去の公開データを用いるのではなく研究者サイドでデータを新たに作り出して検証する実験的アプローチを用いて解明すること」を目的としている。これに基づき、監査プロセスのうち監査法人の引継業務に注目し、(1) 実際にどのような方法で業務が引継がれるのか、(2) 前任監査法人はどのレベルの情報を後任監査人に引き渡すのか、(3) 後任監査法人は引継いだ情報をどの程度信用し利用するのか、といったこれまであまり注目されていなかった疑問について取り組んでいこうとしている。 したがって、私共の研究は、次の8つのステップを踏んで行っていくこととしている。 ①ステップ1・・理論仮説の定立、②ステップ2・・検証モデルおよび作業仮説の提示、③ステップ3・・パイロットテストによる検証モデルおよび作業仮説の妥当性のチェック、④ステップ4・・検証モデルおよび作業仮説の修正・再構築、⑤ステップ5・・実験的アプローチによる作業仮説のテスト、⑥ステップ6・・テスト結果の吟味・解釈、⑦ステップ7・・理論仮説および先行研究に対するテスト結果のフィードバック、⑧ステップ8・・テスト結果をもとにした制度設計サイドに対する提言 また、この研究を行うにあたり、監査法人等に対するインタビュー手法等のトライアルを行うために、新型コロナウイルス感染症の蔓延時における監査業務の対応状況に関するインタビュー調査をこのメンバーで行い、その結果をアメリカ会計学会で発表するとともに、“Auditing during the COVID-19 Crisis in Japan”という表題でワーキングペーパーを作成している。さらに、2021年度においては、最初の段階のステップに該当する先行研究のレビュー等を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述のようなステップを踏んで研究を行うこととしており、2021年度中にパイロットテストとしてのインタビュー調査まで終えることとしていた。しかし、コロナ禍の影響もあり、インタビューの設定までも進まなかった。研究会自体は8回ほど開催できたが、前述のアメリカ会計研究学会での発表準備等もあり、2021年度中に実施できたのは、前述のように、対象となる監査基準委員会報告の先行研究の調査等のみであった。
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今後の研究の推進方策 |
遅れを取り戻すべく、研究のペースを挙げており、年内にはパイロットテストとしてのインタビュー調査を終える予定である。さらに、パイロットテストの結果の分析も終え、実験的アプローチに基づく、インタビューやアンケート等に取り掛かる予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述のようにパイロットテストとしてのインタビューを実施できなかったため、それに関連する調査費や交通費を繰り越すこととなってしまった。次年度はこのパイロットテストを行うこととしており、使用する見込みである。
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