研究課題/領域番号 |
21K01844
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
橋元 良明 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50164801)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アフターコロナの生活様式 / ウィズコロナの生活様式 / 自粛行動 / マスクの着用 |
研究実績の概要 |
新型コロナ感染症は2022年秋以降「第8波」を迎え、23年1月以降はピークを過ぎたと見なされているが、一段落した2023年2月14日から15日かけ、コロナ禍における人々の意識と行動に関してインターネット調査を実施した。調査対象者は全国15歳から69歳までの男女で、最終回収票は6,538票であった。 コロナ禍以前と比較して、外出や外食の機会等が「減った」と答えた人の割合が多かったのは、これまでのコロナ禍中の調査結果と同様である。勤労に関する価値観について「遠隔勤務の方がよいと思うようになった」が22.1%で、「思わない」の15.8%を上回り、「対面会議は必要でないと思うようになった」は20.9%で、「思わない」の21.1%とほぼ同比率であった。「家族と過ごす時間が大切だと思うようになった」は「そう思う」が32.4%で「そう思わない」の14.5%を大きく上回った。その他「対面でのコミュニケーションの大切さがわかった」と答えた人の比率も高かった(33.5%)。 「新型コロナウイルスの収束後もマスクの着用を続けたい」と答えた人は34.8%、「やや続けたい(31.8%)」を合わせると66.6%に達し、男女別にみれば女性が76.2%、男性が57.5%と、性別で有意な差が見られた。年代別では10代が72.8%と突出して高く、これは、彼らがちょうどコロナ禍に入って、中学~高校に入った世代であって、学校ではずっとマスク装着を強いられ、同級生の素顔をまともに見ておらず、お互いにはじめて素顔をさらすことに恥ずかしさを感じるからだろうと推察される。他の自粛行動も、調査時点では概ね、そのまま継続する意向を示す人が多く、「アフターコロナの生活様式」への移行はかなり先であり、当面、「ウィズコロナの生活様式」をとる人が多いことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた調査は終了し、今後、詳細な分析を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
データを元に多方面から分析を実施し、研究論文としてまとめて対外的に成果を公表していく予定。一部の成果については、昨年度調査の結果と合わせて公表済み。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査費用において、当初予定より低コストで実施できたため。余剰分は、次年度(最終年度)の調査において、サンプル規模、質問量を当初計画より拡大して調査を実施する予定。
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