研究課題/領域番号 |
21K01944
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
冨田川 智志 滋賀医科大学, 医学部, 特任助手 (90441881)
|
研究分担者 |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 特任准教授 (20293821)
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40311724)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | ノーリフティングケア / 介護労働者 / 身体負担 / 介護保険施設 / 実態調査 / 手引き及び評価指標 / 高知モデル |
研究実績の概要 |
全国の介護保険施設におけるノーリフティングケア(以下、NLC)実践の実態と課題を明らかにすることを目的としたWeb調査を実施するために、2022年度は滋賀県内の全ての介護保険施設を対象としてプレ調査を実施した。対象者は、対象施設に勤務する施設管理者・介護職リーダー、1施設各1人(計328人)とし、調査票をそれぞれ用に作成して回答を求めた。本調査は、滋賀医科大学研究倫理委員会にて審査・承認され、同大学学長の許可を受けて実施した。 調査前に、滋賀県老人福祉施設協議会・滋賀県介護老人保健施設協会に本調査への協力を依頼し、両会より会員施設に対して案内してもらった。結果、回収率は施設管理者用・介護職リーダーいずれも当初の回答締切日時点で10%台と低かった。そこで、上記両会に回収状況を伝え、会員施設に対して本調査の案内を再度してもらった。また、全ての対象施設に督促ハガキを送付、電話して回答期限を約2週間延長する旨を伝え、本調査への協力を再度依頼した。その際「コロナの影響でそれどころではない」との意見も数件聞かれた。結果、有効回答率は施設管理者用:27.4%、介護職リーダー用:22.0%となった。 回答結果から、NLC実践を推進している施設は、組織全体としてNLC推進のための安全衛生管理・指導体制を構築している傾向にあった。一方、NLC実践を導入していない施設は、NLCに関する知識・技術・意識を高める体制が整っていない、NLCの指導時間や移動・移乗支援用具/機器の購入資金・保管場所を確保することの優先順位が低いといった、費用対効果の観点が希薄であることが推察された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、プレ調査(滋賀県の介護保険施設を対象としたNLC実践の実態調査)の結果を踏まえ、調査項目をブラッシュアップし、2021年度中に全国の介護保険施設(1920施設を無作為抽出)を対象とした本調査を実施する予定であったが、プレ調査の回収状況、COVID-19の影響に伴う対象施設の状況を鑑みて、2021年度中の実施は困難と判断し、次年度に延期することとした。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に実施予定であった全国の介護保険施設(1920施設を無作為抽出)を対象としたNLC実践の実態調査を実施する。また、計画実施計画の通り、高知県の介護老人福祉施設・介護老人保健施設のうち計2施設を対象として、NLC実践による介護労働者の身体負担調査(表面筋電図、上体傾斜角、心拍数、活動強度、歩数、自覚的症状等)を実施する(対象者:各施設2人、計4人)。他にも、高知県の全ての介護老人福祉施設・介護老人保健施設を対象とし、当該施設に勤務する介護労働者(正規職員)、各10人(約730人を想定)を対象者として、NLC実践の実態調査(Web調査)を実施する。 2023年度は、計画実施計画の通り、高知県の対照群として、滋賀県の介護老人福祉施設・介護老人保健施設のうち計2施設を対象として、介護労働者の身体負担調査(高知県での調査内容・方法と同様)を実施する。 2024年度は、2022~2023年度の調査結果を本研究チームと各種専門家とともに分析し、NLC推進のための手引き及び評価指標案を作成する。また、身体負担調査対象施設を対象としたWeb報告会の開催、報告書の作成、ホームページでの公表を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、2021年度中に全国の介護保険施設(1920施設を無作為抽出)を対象としたNLC実践の実態調査を実施する予定であったが、プレ調査の回収状況、COVID-19の影響に伴う対象施設の状況を鑑みて、2021年度中の実施は困難と判断し、次年度に延期することとした。そのことにより、上記実態調査に伴う経費において次年度使用額が生じた。
|