本研究は、申請者の最終目的である「インド人のためのインドの介護」の確立の一環として、2017年に制度化されたインド人介護技能実習生に焦点を当てた。実習生が日本式介護を習得し母国でインドの文化と生活習慣に応じた、インド独自の介護の発展に期待するものであった。その為には、ただ人材供給のための技能実習生ではなく、介護の魅力を理解し介護をすることを好きである必要がある。そこで申請者は入国前に現地で日本の文化と介護を理解する必要があると考え、効果的な教育プログラムの構築を目標にした。しかし2020年からのコロナが拡散し、現地の協力者である技能実習送り出し機関「日の出ファンデーション」もパンデミックやロックダウンなどの煽りを受け、当初の計画では100名を超えるはずの実習生は送り出すことが不可能となった。2023年度にはコロナは落ち着き、インドの送り出し機関は日本語教育を始めたが、今度は日本円の円安と欧米からの人材確保進出で日本に来るはずの介護技能実習希望者は激減、わずか5人の実習生となった。申請者達は実習生に介護の魅力や日本式の介護の講座を実施するため、インドを訪問するが、直前になって進路変更となり対象者がいなくなった。そこで訪問目的を10年前に視察した高齢者施設で、インドの福祉及び介護を視察することにした。10年前と現在を比較し設備や医療器具はかなりの進歩をしていた。10年前は「介護」という概念がなく、そこで働くスタッフはお手伝いの領域であった。しかし現在では「ケアギブ」と呼ばれ職業として認められていた。10年前にスタッフへの介護技術の講習会を提案するも「専門的な技術」は受け入れられなかった。しかし今回の訪問では是非一緒に研究をと希望される。ようやく専門的な技術の必要性を理解されていた。今回は高齢者施設GPの代表者から今後の研究協力体制を約束し今後介護技術を提供することとなった。
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