研究課題
本研究は、地域に関心の薄かった市民が、地域課題の解決に関する活動を新たに開始することを「自分ごと化」と定義し、特に無作為抽出型の市民会議の参加者 に「自分ごと化」が生じるメカニズムについて「地域特性」「プログラム特性」「個人特性」の3つの視点から明らかにすることを目的としている。 2023年度は、プログラム特性の一部である「ファシリテーション」のあり方について検討するため、日本計画行政学会の全国大会においてワークショップを開催した。無作為抽出型市民会議でファシリテーターを実施した経験がある徳田太郎氏、村上千里氏、田中俊氏の3名を招き、無作為抽出型市民会議におけるファシリテーターの役割や今後期待される役割について議論していただいた。本来ファシリテーションは自由度の高い会議で行われることが多かった一方、無作為抽出型市民会議は提言作成などのアウトプットがある程度決められている場合が多く、会議の設計者とファシリテーターの間での調整が求められるのではないかという論点が提示された。ファシリテーションの役割として、異なる意見を対立関係に置くのではなく、面的にする話し合いのプロセスを支援することについて共有された。また、ファシリテーションの結果として、市民が自律的に活動するところまでを、支援の中でいかにして実現するのかが課題として取り上げられた。その他、2024年度に実施する予定の「個人特性」について明らかにするためのアンケート調査の準備を行なった。2024年度はアンケート調査を実施する予定である。
3: やや遅れている
「個人特性」の調査を実施する予定であったが、調査設計に時間がかかってしまったため。
2024年度は、福岡県大刀洗町を事例に、個人特性について明らかにするためにアンケート調査を実施する。大刀洗町では2014年度より毎年住民協議会を実施して いるため、これまでの参加者200名程度を対象とする。
実施する予定であったアンケート調査を実施できなかったため。アンケート調査及び現地でのヒアリング調査、現地視察の旅費に加え、成果発表のための学会参加費や論文投稿費や発表のための備品等の購入に使用する。
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計画行政
巻: 47 ページ: 17~19
10.14985/jappm.47.1_17