研究課題
基盤研究(C)
高機能なオムツ素材開発に寄与できる基礎的知見と設計指針を得ることを目的として,オムツ素材モデルとしてポリビニルアルコールからなるゲルを調製し,糖類,界面活性剤,染料水溶液中での膨潤度を測定した.それぞれの溶質に特徴的な膨潤度の溶質濃度依存が観察された.非常に低濃度の溶液であっても膨潤度に大きく影響する場合が見られた.結果を水素結合や疎水性相互作用などの高分子と低分子の間の相互作用に着目して考察した.
高分子化学,生活材料学
本研究では,含水高分子ゲルの膨潤度が,ゲルを浸している水溶液の溶質濃度に対して単調に変化するのではなく,極大などを示す場合があることを見いだした.そして,観察された膨潤度の濃度依存に関する知見を,溶質とゲル構成高分子の水和の観点から考察した.高齢者の衣生活を快適にするためには,オムツ素材に対して尿保持の安定性や消臭機能加工剤の固定安定性が要求される.本研究の知見と考察は,これらの要求を満たすオムツ素材の設計指針を与えているところに意義がある.