本研究では,ω6多価不飽和脂肪酸の多い綿実油やブドウ種子油食と比較して,飽和脂肪酸含量の高い牛脂,パーム油食や,ω3多価不飽和脂肪酸の多い亜麻仁油と魚油食が,難消化性オリゴ糖摂取下での大腸ALP活性と腸型ALP遺伝子発現,糞中Mucin含量を顕著に増加させることを明らかにした。また,難消化性オリゴ糖による大腸ALPを含む腸内環境関連因子への影響が最大限に発揮されるには,通常より多くの脂肪量を要する可能性を示した。これらの結果より,プレバイオティクスの大腸内環境調節作用には,油脂の脂肪酸組成や摂取脂肪量といった栄養条件が関与していることが示された。
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