研究課題/領域番号 |
21K02226
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
堀井 啓幸 常葉大学, 教育学部, 教授 (30190234)
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研究分担者 |
鈴木 守 常葉大学, 教育学部, 教授 (00367583)
白鳥 絢也 常葉大学, 教育学部, 准教授 (40600383)
宇内 一文 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (60546266)
黒岩 一雄 常葉大学, 教育学部, 准教授 (70779545)
久米 昭洋 常葉大学, 教育学部, 教授 (90708041)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学校運営協議会 / コミュニティ・スクール / 学社連携(融合) / 学校理事会 / 学校図書館 |
研究実績の概要 |
本研究は、静岡県の事例を中心に、コミュニティ・スクール導入のダイナミズムを記述的に明らかにすることを目的としているが、令和3年度は、コロナ禍でほとんどの調査を中止せざるを得なかった。しかし、以下の点で、今後につながる示唆を得た。 ①研究代表者は、県教育委員会のコミュニティ・スクール連絡協議会専門委員として、県内市町のコミュニティ・スクール導入に継続的に関わり、小中一貫教育と連動したコミュニティ・スクールの導入状況や課題を把握することができた。また、鈴木は、研究代表者とともに令和4年度にコミュニティ・スクール導入を目指している県内各地のコミュニティ・スクールの実態について訪問調査を行い、令和3(2021)年8月に行われた「令和3年度常葉大学学術研究発表会」において報告した。発表会では、県内のコミュニティ・スクールの動向とともに鈴木が専門とする図書館と学校の連携の実践と課題について報告した。コミュニティ・スクールの調査研究において、図書館を対象にしたものはほとんどなく、新たな分野の連携の実態や課題を明らかにできた。 ②コロナ禍で断念せざるを得なかった福岡県春日市教育委員会の訪問調査の代わりに、訪問調査を実施した日本大学の佐藤晴雄氏を招いて2021年5月にZoom研究会を実施し、春日市の実態と課題について学ぶ機会を得た。学校運営協議会に児童生徒の参加も想定し、日本のコミュニティ・スクールの最前線にあるといわれる福岡県春日市教育委員会の実践は、今日の教育経営改革に密接に関連し、ガバナンス改革との関わりについて新たな視座を与えてくれた。 ③日英米のコミュニティ・スクールの実践についての学修(渡邉明彦『日英米コミュニティ・スクール集成‐教育・まち・建築 変遷する役割‐』丸善出版、2021)日本教育事務学会編『日本教育事務学会年報第8号』の「書評」として公刊、72~73頁、2021年12月
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で、ほとんど調査活動を中止せざるを得なかったが、静岡県内の多くの市町において、小中一貫教育と同時か、小中一貫教育の導入に少し遅れてコミュニティ・スクール導入が始まったことで、小中一貫教育とコミュニティ・スクールとの関係や、小学校、中学校それぞれの学校運営協議会と全体を統括する中学校区の学校運営協議会との関わりなどをどのように捉えていくか、コミュニティ・スクール導入先進都道府県とは異なる状況や課題が存在することがみえてきた。 また、コロナ禍において、一挙にコミュニティ・スクールを導入する過程で、対面活動が思うようにできないことに対する対応や課題についても資料を収集しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度も、コロナ禍ゆえに、思うように県内外の調査研究はできないかもしれないが、これまで共同研究者それぞれが常葉大学における共同研究から継続してきた県内各地のコミュニティ・スクールの実践研究(磐田市における小中一体型校舎での小中一貫教育とコミュニティ・スクールの実践、浜松市の外国人子女への対応、藤枝市の実践など)を再検討することで、静岡県やコミュニティ・スクールの実践における最新の状況や課題などをタイプ化することができないか検討していきたい。 また、県内外の実践資料を収集整理する過程で、コロナ禍でのコミュニティ・スクール導入の現状や課題を明らかにしていく。 さらに、10月に予定されている全国コミュニティ・スクール連絡協議会が九州で行われることから、コミュニティ・スクール連絡協議会で全国の実践や導入の状況を把握するだけでなく、春日市に訪問調査を依頼して、我が国の最先端をいくと評価されるコミュニティ・スクールの実態と課題等を調査することで、今後のコミュニティ・スクールの在り方についても引き続き検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で調査ができなかった。
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