斎藤喜博は昭和戦前期から後期にかけて活動した小学校教師である。実践の主舞台は群馬である。その影響は全国に及んだ。斎藤が41歳から校長を務めた島小は全国から1万人超の参観者を集めた。8回に及ぶ学校公開研究会によりその成果を示した。教育実践記録は従来の文献にのみこだわらず写真集や映画、レコードなど多岐にわたる媒体を駆使した。自身の全集は30巻に及ぶ。本研究では散財しがちな実践史(資)料を収集、整理、電子化した。島小を起点とする学校づくり運動の全体像を把捉した。斎藤は子どもと教師との接点の追究を初任校において実践する。以降、その実践研究は学校づくり運動として時代のムーブメントとなったことを実証した。
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