研究課題/領域番号 |
21K02299
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
牟田 博光 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 特別研究員 (70090925)
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研究分担者 |
下田 敦子 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 准教授 (60322434)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 推移率 / 地域間格差 / 機会均等 / 学校の適正配置 / 高卒認定制度 / マトリキュレーション試験 |
研究実績の概要 |
2020年からの新型コロナ禍、2021年の政変により基礎教育の就学状況が急速に悪化する前の2018年度から2019年度にかけての進学進級状況を、推移率を用いて検証し、地域間格差を明らかにした。推移率を全国的に見れば、小学校課程では学年間の推移率は0.95を上回る値で推移している。中学校課程でも0.95を少し下回る値で推移している。しかし、高校課程ではさらに推移率が下がり、特にG10からG11にかけては0.85近くにまで下がる。 市部郡部別では市部が高いが、特に小学校課程のG5から中学校課程のG6、中学校課程のG9から高校課程のG10と学校課程が変わるところで市部が極端に高くなる。小学校課程を持つ学校に比較して、中学校課程を持つ学校の分布が市部に集中しているからであり、中学校課程を持つ学校と高校課程を持つ学校の関係も同様である。地域の社会経済指標の違いが地域間格差のそもそもの要因であろうが、それ以上に、市部郡部での各種の学校の不均等な配置が問題である。進級進学に際し、明らかに郡部から市部への大きな移動が見られる。教育の機会均等の観点から、適正規模を保ちつつ、上級の学校に進学できる政策が必要である。 小学校課程、中学校課程とも、進級の程度を示す推移率はタウンシップの識字率によって良く説明出来る。タウンシップ全体として教育水準が高ければ推移率が高くなるという好循環が期待されるところから、長期的には推移率は高くなると考えて良い。小学校課程から中学校課程、中学校課程から高校課程の推移率に関しては、小学校課程のある学校数と中学校課程のある学校数、中学校課程のある学校数と高校課程のある学校数の割合が重要であり、各種の学校の適正配置が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績で述べたような成果を出し、令和4年度内に2度の現地調査も実施して、これまでの研究成果のレビューを行い、新しい関連資料も入手した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、さらに現地調査により最新の資料を得ると共に、研究成果のレビューを求める。研究成果として、学会発表の他に、論文のとりまとめを行う。すでに3本の論文を執筆し、掲載可となっているが、さらに2本の投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末近くに発注した品物が年度を超えて納品されたため、年度内未使用額が生じた。
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