研究課題/領域番号 |
21K02346
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研究機関 | 茨城女子短期大学 |
研究代表者 |
安藤 みゆき 茨城女子短期大学, その他部局等, 教授 (90612797)
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研究分担者 |
平田 修三 仙台青葉学院短期大学, こども学科, 准教授 (50888683)
中島 美那子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (60571289)
細川 梢 福島学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00910168)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 里親 / チーム養育 / 里親不調 / チーム養育不調 / 里親子支援センター / 心理的安全性 |
研究実績の概要 |
これまでに実施した、里親を対象としたチーム養育に関するアンケート調査結果を「里親委託推進及びチーム養育に向けたアンケート調査報告書」(52p.)として作成・製本し、児童相談所、里親支援専門相談員、フォスタリング機関職員などの里親支援関係者に配布した。里親制度の当事者である里親がチーム養育に対して抱いている想いや考えを把握することができ、以下の5点の示唆を得た。1) 約4割の里子が障害や被虐待経験を有しており、半数以上の里親が養育困難を感じていたことから、いつでもすぐに相談できる専門的なチームの構築が求められている。2) 未委託期間からチーム養育に里親が関わることのできるシステムが必要であり、委託直後はその子どもに即した個別研修や情報共有と信頼関係に基づいた養育チームの構築が課題である。3) さらに、里親子のセーフティーネットとなり「チーム養育」の要として機能する、24時間対応の里親子支援センターの設置が望まれている。4) チームの心理的安全性を確保するために里親と支援者の対等の関係を意識したチームのあり方を理想としている。5)里親の求める「チーム」と里親支援関係者が考える「チーム」との間に距離があり、里親制度における「チーム」とは何かとの問い直しが必要である。 チーム養育プログラムの試行からは、里親と支援者が一緒に安心とつながりを作りだし、チームの在り方の可能性を見出すことができた一方で、支援者と被支援者の関係からの脱却の困難さも示唆された。 「里親不調」という言葉には、養育の責任すべてを里親に負わせるような響きがあるが、チーム養育、あるいは社会的養育といった理念を念頭に置くなら、「チーム養育不調」と受けとめ、チームとしての養育能力やサポートシステムといった点を検討していく視点が、今後ますます重要になってくると考える。
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