• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

機械学習を用いた神経ネットワークによるADHDのサブタイプ診断の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K02380
研究機関福井大学

研究代表者

水野 賀史  福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (50756814)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード注意欠如多動症(ADHD) / 機械学習 / サブタイプ / ABCD Study
研究実績の概要

注意欠如・多動症 (attention-deficit/hyperactivity disorder: ADHD)は不注意・多動-衝動性を主徴とする神経発達障害である。ADHDは多様性を持つにも関わらず、臨床症状をもとに一つの疾患としてまとめて扱われてきたことで、研究結果に一貫性がなく、未だにその神経基盤は十分にわかっていない。本研究の目的は、安静時fMRIによって検出される神経ネットワークに基づき、機械学習を用いてADHDのサブタイプを特定するのと共に、サブタイプごとの神経基盤と臨床的な特徴を明らかにすることである。
2021年度の研究計画は、ABCD sutdyのデータベースよりサンプルのダウンロードし、必要データを抽出、安静時fMRIデータの質を確認することだった。実際、研究計画に従って、ADHD約400例、定型発達児約2600例、合計約3000例の安静時fMRIデータを抽出し、解析をすすめた。
しかしながら、安静時fMRIのような機能画像の場合、内服している薬剤の影響を受けやすいこと、また、多施設から取得されたMR画像では、そのMRIマシンの機種間差の影響を考慮する必要があることから、その後の教師なし機械学習によるサブタイプ分類を行うことが難しい可能性が考えられた。
そのため、サブタイプの分類を、脳画像ではなく、認知機能検査を用いて行うこと、また、薬剤の影響を直接は受けにくいと考えられる、脳構造画像を、脳機能画像の代わりに、解析に用いることを着想し、現在再解析に取り組んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

安静時fMRIのような機能画像の場合、内服している薬剤の影響を受けやすいこと、また、多施設から取得されたMR画像では、そのMRIマシンの機種間差の影響を考慮する必要があることから、その後の教師なし機械学習によるサブタイプ分類を行うことが難しい可能性が考えられた。

そのため、サブタイプの分類を、脳画像ではなく、認知機能検査を用いて行うこと、また、薬剤の影響を直接は受けにくいと考えられる、脳構造画像を、脳機能画像の代わりに、解析に用いることを着想し、現在再解析に取り組んでいる。

今後の研究の推進方策

ABCD StudyではNIH toolboxと言われる様々な認知機能検査が行われており、そのデータを利用することができる。データを整理した上で、まず認知機能検査の結果を用いて、教師なし機械学習によるクラスタリングでサブタイプ分類を行う。さらに、見いだされたサブタイプごとの認知機能、臨床症状の特徴とともに、脳構造の特徴を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスパンデミックの影響により、県外移動が制限され、旅費を使用しなかった。また、研究室内のスタッフでデータの整理を行ったため、人件費を抑えることができた。
今後は、移動の制限が緩和されていくことが予想されるため、旅費としての使用が増え、また、謝金や、成果としての論文出版に対する費用として使用していく予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件)

  • [国際共同研究] スタンフォード大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      スタンフォード大学
  • [学会発表] 神経発達症の脳画像研究 コロナ禍でのアメリカの学校や神経発達症診療状況と共に2022

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      第19回日本小児心身医学会東海北陸地方会
    • 招待講演
  • [学会発表] Methylphenidate enhances spontaneous fluctuations in reward and cognitive control networks in children with attention-deficit/hyperactivity disorder: a randomized control trial2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Mizuno, Weidong Cai, Kaustubh Supekar, Kai Makita Shinichiro Takiguchi, Akemi Tomoda, Vinod Menon
    • 学会等名
      Society of Biological Psychiatry 2022 Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 米国における新型コロナウイルスパンデミックによる子どもの心理発達面への影響2022

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      第128回日本小児精神神経学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 神経発達症と脳画像 -病態に基づく客観的な診断を目指して-2022

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      第40回日本小児心身医学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 2021年度 福井校の活動概況 コロナ禍のアメリカ研究留学生活と 情動認知発達学領域の取り組みを中心に2022

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      子どものこころの研究センター 令和3年度 研究連絡会
  • [学会発表] 2021年度 情動認知発達研究部門の取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      令和3年度 子どものこころの発達研究センター研究発表会
  • [学会発表] 本音で語る海外留学の実際 with and without コロナ2021

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      日本小児神経学会北陸地方会夏季セミナー(第11回白山セミナー)
    • 招待講演
  • [学会発表] Effects of methylphenidate on aberrant brain network dynamics in children with ADHD2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Mizuno, Weidong Cai, Kaustubh Supekar, Kai Makita Shinichiro Takiguchi, Akemi Tomoda, Vinod Menon
    • 学会等名
      Society of Biological Psychiatry 2021 Virtual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Effects of methylphenidate on aberrant brain network dynamics in children with ADHD2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Mizuno, Weidong Cai, Kaustubh Supekar, Kai Makita Shinichiro Takiguchi, Akemi Tomoda, Vinod Menon
    • 学会等名
      第63回日本小児神経学会学術集会
  • [学会発表] ADHDの脳科学2021

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      福井大学子どものこころの発達研究センター10周年記念講演会
  • [学会発表] ADHDと虐待による愛着障害を 脳画像で知る2021

    • 著者名/発表者名
      水野 賀史
    • 学会等名
      名古屋市立大学 社会人の学びなおし対応教育推進プログラム 学びなおし講座
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi