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2023 年度 実施状況報告書

低出生体重児における味覚特性

研究課題

研究課題/領域番号 21K02382
研究機関香川大学

研究代表者

加藤 育子  香川大学, 医学部, 准教授 (00613720)

研究分担者 西田 智子  香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
小谷野 耕佑  香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20437685)
中村 信嗣  香川大学, 医学部, 助教 (30437686)
野口 彩香  香川大学, 医学部, 技術補佐員 (40849288)
小西 行彦  香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60528157)
森本 絢  香川大学, 医学部附属病院, 医員 (80813881)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード早産児 / 低出生体重児 / 離乳食 / 感覚 / 感覚特性 / 味覚
研究実績の概要

近年低出生体重児の出生が増加しているが、低出生体重児は将来の生活習慣病リスクが高いとされており、発症予防のための食事指導が重要である。食欲や食の好みは乳児期早期の養育環境でも変化するとされており、適切な授乳支援や離乳食支援が必要である。一方、我々の事前調査で低出生体重児は特徴的な感覚特性がみられ、特に口腔感覚に特性が高いことが示された。適切な授乳支援や離乳食支援を行うためには、まずは低出生体重児における味覚についての特徴を把握することが重要であると考えた。
今年度はNICUに入院した極低出生体重児を研究対象とし、フォローアップ外来を受診し3歳時点で新版K式発達検査を行った児に対して、保護者が回答するITSP質問紙により児の感覚処理の評価を行ったところ、神経発達症児に特徴的な感覚過敏や感覚回避は平均的な範囲に含まれるが、感覚探求では高い傾向にあった。新版K式発達検査に対して、低登録、感覚過敏、感覚回避に関しては負の相関をみとめたが、感覚探求に有意な相関はみられなかった。また、聴覚・視覚・口腔感覚において強い特性を示す例が多かった。DQが90以上の児においても、感覚処理に特徴がある児も存在し、特に聴覚・視覚処理では特性がある児が多い傾向であった。特に、視覚では過半数に特性がみられた。極低出生体重児では正期産児と比べて強い感覚特性を示し、感覚処理パターンが異なる可能性がある。我々の事前研究では修正1歳半において、正期産児のコントロール群と比べて極低出生体重児では感覚探求が高い傾向にあり、特に聴覚・視覚で特性が有意に強い結果であったが、3歳においても同様の傾向があるといえる。DQが高い児においても視覚に関して特性が強い傾向がみられ、早産児への発達支援には視覚認知に特化したプログラムが有用だと考えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データ収集にむけた体制つくりを行うことができ、実際のデータ収集を行うことが可能となった。ただし、コントロール群の確保が難しく、味覚特性の違いを詳細に検討することができなかったため予定していた学会発表ができず、延長申請を行った。

今後の研究の推進方策

出生前後の周産期データ、修正1ヵ月と修正3ヵ月(正期産児では1ヵ月と3ヵ月時点)では体重増加率・哺乳量・哺乳回数・KIDS質問紙による状況把握、修正9か月では肥満度・哺乳量に加えてCEBQ(子供の摂食行動アンケート)を行い、KIDS質問紙により発達の評価も行う。
修正1歳半と3歳時点では肥満度、食事の状況調査、新版K式発達検査やITSP(感覚プロファイル)のデータ集積を引き続き行う。上記データを集積した上で、極低出生体重児と正期産児での味覚の違いや、発達状況との関連について統計解析を行い学会等において発表予定である。

次年度使用額が生じた理由

まだコロナ禍の影響が残り、市町村や外来での味覚調査が思うように進まず、解析が進むほどのデータ収集できなかった。また、トポグラフィーを用いた研究の被検者を確保することが困難であった。次年度は、できなかった部分を小児科外来での食事アンケート調査に切り替え、既存の発達と感覚調査と合わせて評価を行い解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Caffeine Concentrations in Human Milk Donated to a Human Milk Bank in Japan2024

    • 著者名/発表者名
      Kozai Shoko、Kato Ikuko、Mizuno Noriko、Nakamura Naho、Okada Hitoshi、Mizuno Katsumi、Kusaka Takashi
    • 雑誌名

      Journal of Human Lactation

      巻: 40 ページ: 307~313

    • DOI

      10.1177/08903344241231954

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Developmental changes in neonatal hemodynamics during tactile stimulation using whole-head functional near-infrared spectroscopy2023

    • 著者名/発表者名
      Fuchino Yutaka、Kato Ikuko、Htun Yinmon、Takano Yuji、Konishi Yukihiko、Koyano Kosuke、Nakamura Shinji、Tanaka Naoki、Kusaka Takashi、Konishi Yukuo
    • 雑誌名

      NeuroImage

      巻: 284 ページ: 120465~120465

    • DOI

      10.1016/j.neuroimage.2023.120465

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Developmental changes in visual?cognitive and attentional functions in infancy2023

    • 著者名/発表者名
      Koyano Kaori、Konishi Yukihiko、Koyano Kosuke、Nakamura Shinji、Kato Ikuko、Nishida Tomoko、Kusaka Takashi
    • 雑誌名

      Early Human Development

      巻: 183 ページ: 105810~105810

    • DOI

      10.1016/j.earlhumdev.2023.105810

    • 査読あり
  • [学会発表] 1ヵ月児の尿中オキシトシン濃度は授乳後上昇する2023

    • 著者名/発表者名
      葉久紋菜、加藤育子
    • 学会等名
      第37回母乳哺育学会学術集会
  • [学会発表] 新生児健診のこれから-2021 新生児期早期の母乳育児支援2023

    • 著者名/発表者名
      加藤育子
    • 学会等名
      第124回日本小児科学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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