• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

総合的な学習(探究)の時間における非認知的な能力の育成に関する開発的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02503
研究機関愛知淑徳大学

研究代表者

加藤 智  愛知淑徳大学, 文学部, 准教授 (00619306)

研究分担者 中野 真志  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90314062)
西野 雄一郎  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00850398)
中村 仁志  岡崎女子大学, 子ども教育学部, 助教 (30881560)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード総合的な学習の時間 / 総合的な探究の時間 / 非認知的能力 / 認知的能力
研究実績の概要

新学習指導要領における総合的な学習(探究)の時間が育成する資質・能力について、認知的能力や非認知的能力の視点から分析を行った。その結果、総合的な学習(探究)の時間で育成を目指す資質・能力としての「知識及び技能」や「思考力、判断力、表現力等」は、改訂版ブルーム・タキソノミーにおける4つの知識のタイプ(「事実的知識」、「概念的知識」、「手続的知識」、「メタ認知的知識」)に合致し、これらの資質・能力は、極めて認知的な能力と捉えることができる。その一方で、総合的な学習(探究)の時間における「学びに向かう力、人間性等」は、主体性や協働性、自己理解や他者理解、社会参画や社会貢献などに関わる心情や態度が想定されている。これらの心情や態度については、情動的な側面(目標の達成や情動の抑制など)や、社会的な側面(他者との良好な関係を築くなど)を含む資質・能力である。これらの情動的な側面や社会的な側面は、非認知的能力と呼ばれるものを大いに含んでいるものの、知的な側面、すなわち認知的能力を抜きにして論じることはできない。情動は感情とは異なり、身体と外界の相互作用を基に構築された知覚であると捉えることができる。また、社会的な側面の中にも、認知的側面としての「社会的知能」の存在を認めることができる。したがって、「学びに向かう力、人間性等」は、認知的能力と非認知能力の両方の側面を併せ持つ資質・能力であり、これらを一体的に育成することが重要であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の拡大の影響を受け、国内外の出張が思うように実施できず、研究活動が文献収集に止まってしまった。また、感染症の拡大の影響は、それぞれの校務における負担を増加させており、研究活動に注力する時間が限られてしまった。

今後の研究の推進方策

オンラインミーティングを積極的に活用する。また、新型コロナウィルスの感染拡大状況を注視しながら、国内外における現地調査をスタートさせる。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由と使用計画については、以下の3点が挙げられる。
①新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、学会の全国大会や研究会が中止となり、旅費の執行額が大幅に減少したため、未使用額が生じた。
②同様の要因により、現地調査に関しても計画通りに実施することが困難となり、旅費の執行額が大幅に減少したため、未使用額が生じた。
③次年度以降では、感染症の拡大状況を見極めながら、研究会や現地調査の開催を目指す。また、必要な資料の収集を積極的に行う。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 5件、 査読あり 3件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 生活科で育成される資質・能力と学習評価に関する一考察2022

    • 著者名/発表者名
      加藤智
    • 雑誌名

      愛知淑徳大学教育学会『学び舎―教職課程研究―』

      巻: 17 ページ: 3-16

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新学習指導要領における総合的な学習の時間が育成する資質・能力―認知的能力・非認知的能力の視点からの考察―2022

    • 著者名/発表者名
      加藤智
    • 雑誌名

      愛知淑徳大学文学部『愛知淑徳大学論集―文学部篇―』

      巻: 47 ページ: 65-79

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 総合的な学習の時間のコーディネーターの成果と課題―仙台市における「生活・総合コーディネーター」のサポートを受けた教師へのインタビュー調査をもとに―2022

    • 著者名/発表者名
      加藤智・吉見果純
    • 雑誌名

      愛知淑徳大学教職・司書・学芸員教育センター『教志会研究年報』

      巻: 8 ページ: 37-51

  • [雑誌論文] シカゴ大学時代のデューイ思想の活動構成論としての再構成2022

    • 著者名/発表者名
      中村仁志
    • 雑誌名

      愛知教育大学生活科教育講座『生活科・総合的学習研究』

      巻: 18 ページ: 11-20

  • [雑誌論文] J.L.メリアムのミズーリ大学附属初等学校におけるカリキュラム開発:教科「物語」に着目して2022

    • 著者名/発表者名
      西野雄一郎
    • 雑誌名

      アメリカ教育学会『アメリカ教育研究』

      巻: 32 ページ: 74-96

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] J.L.メリアムによるミズーリ大学附属初等学校におけるカリキュラム開発:「手仕事」に着目して2022

    • 著者名/発表者名
      西野雄一郎
    • 雑誌名

      愛知教育大学教職キャリアセンター『愛知教育大学教職キャリアセンター紀要』

      巻: 7 ページ: 95-102

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] プロジェクト・アプローチの歴史的変遷に関する研究―二項対立の枠組みを乗り越えるアプローチの事例検討―2022

    • 著者名/発表者名
      西野雄一郎
    • 雑誌名

      愛知教育大学生活科教育講座『生活科・総合的学習研究』

      巻: 18 ページ: 41-48

  • [雑誌論文] アメリカにおける社会性と情動の学習(SEL):「学術的、社会的、情動的な学習の協働」(CASEL)を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      中野真志
    • 雑誌名

      愛知教育大学教職キャリアセンター『愛知教育大学教職キャリアセンター紀要』

      巻: 7 ページ: 159-166

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 総合的な学習の時間が育成するコーピングスキルに関する一考察2021

    • 著者名/発表者名
      加藤智
    • 学会等名
      日本生活科・総合的学習教育学会第30回静岡(富士山)大会(オンライン)
  • [学会発表] 総合的な学習の時間が育成する非認知的スキルと教科の学力との関係に関する一考察2021

    • 著者名/発表者名
      加藤智
    • 学会等名
      日本教科教育学会第47回全国大会(オンライン)
  • [学会発表] 「子ども理解」を基盤とした教科横断的な学習に関する一考察―デューイ実験学校の教育実践における『相関』と『社会的等価物への翻訳』を手がかりに―2021

    • 著者名/発表者名
      中村仁志
    • 学会等名
      日本生活科・総合的学習教育学会第30回静岡(富士山)大会(オンライン)
  • [学会発表] 社会的効率主義とJ.L.メリアムとの関係性2021

    • 著者名/発表者名
      西野雄一郎
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会第32回(琉球大学WEB大会)
  • [学会発表] J.L.メリアムの伝統的なカリキュラム批判に関する検討―バグリーの形式陶冶に関する見解との比較を通して―2021

    • 著者名/発表者名
      西野雄一郎
    • 学会等名
      日本生活科・総合的学習教育学会第30回静岡(富士山)大会(オンライン)
  • [学会発表] J.L.メリアムのカリキュラム実践へのデューイの影響2021

    • 著者名/発表者名
      西野雄一郎
    • 学会等名
      日本デューイ学会第64回研究大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi