研究課題/領域番号 |
21K02601
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
藤崎 聖也 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (50578276)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経済学 / 社会科・地歴公民科 / 情報活用能力 / GIGAスクール / 文献読解 |
研究実績の概要 |
本研究は、検定教科書などの読解、オンライン授業含めた教員養成課程での教育実践などを通して、情報活用能力育成に対して経済(学)的視点で貢献できる教材開発のための基礎的要件を検討することを目指している。2022年度は、主に以下の2点に関する実績があった。 1.文献読解 2つの研究について成果報告した。第1に、中学校社会科公民的分野での「情報化社会」に関する教科書間での扱い方の異同から、他の社会の特色や他教科での先行学習内容との関連づけなど、授業実践のための方向性をまとめた内容を論文化した。それをベースに、高校公共での情報に関する内容を整理し、中学校との比較を進めている。第2に、一人一台端末に関する社会科の事例をまとめた書籍を使用ツールの視点から分類した。社会科では、「まとめでプレゼンテーション」という事例が代表的とされるが、経済含めた現代社会の問題に特に関連する公民的内容が中心になっていることなどが示唆された。 2.大学での教育実践 ICTを活用した授業での取組をふまえて、TPACKや小学校プログラミング教育に関する、社会科を主専攻教科とする教員養成課程の学生の自己評価を分析した。地理に関するICT活用の独自性も含め、教科内容を深く考える必要があるほど「ICT」「指導法」「教科内容」の統合に困難を感じていることなどの知見を得られた。また、初等・中等教育における一人一台端末は教室という現地での使用を中心に考えられていることから、教員養成課程においてそれを見据える形で現地(対面)授業でもオンラインアプリ活用する取組についても整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会・研究会での報告を一定のペースでできた。また、これまでに学会報告などした内容を、ワーキングペーパーとして公表したり、査読付雑誌に複数論文を投稿したりした。他方、文献読解などは教科内容により具体的に踏み込んだ分析が必要であり、加えて教育実践の量的データ分析も一部未完である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、高校の公民科の「政治・経済」の教科書を中心に、小・中学校との比較や情報活用能力といった点から分析を進めたい。また、大学での授業実践についても、量的データ分析、対面授業への回帰が進んだ状況でのオンライン活用という点から充実を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体の額に比べると微小ではあるが、対面(現地)での学会発表に伴う旅費が年度後半に生じたことなどから、物品、書籍の購入計画に微調整があった。研究に必要な物品、書籍の購入金額に含める。
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