研究課題/領域番号 |
21K02626
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大西 好宣 千葉大学, 国際未来教育基幹, 教授 (70639749)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 留学支援 / アカデミックアドバイジング / 学修支援 / ケースメソッド / スタッフディベロップメント / 学生の成功 |
研究実績の概要 |
本研究では、1)わが国の大学における留学相談業務の問題点を調査し、2)その結果を広く国内外に紹介しフィードバックを得る。併せて、3)いわゆるケースメソッドの手法で留学相談専門員の研修・訓練を行い、4)その効果を学術的に明示しつつ、5)その成果についても国内外で広く共有しフィードバックを得る。 初年度(令和3年度)は上記1)に関して当初の予定通り学生500名を対象にした調査を行い、2)の調査結果フィードバックのため学会発表等を通じて大学職員50名以上と意見交換を行った。さらに、3)の研修・訓練についても、国内で2度計10名の留学相談員に対して先行実施した。 二年度目(令和4年度)は、ケースメソッド教材を新たに2編執筆し、ビデオ教材として完成させた。加えて、3)の研修・訓練を大学院修士課程の正式な授業として行い、その際の教材として前記のビデオ教材を早速同授業内で用いた。また、この授業では研究代表者の指導のもと、受講生自らケースメソッド教材を1編執筆している。2)のフィードバックについては、初年度の学会発表をもとに執筆した査読付論文1編が採択されたほか、NACADA(米国学修支援者協会)を中心とした国際共同研究により国際用語集を1編発刊することが出来た。加えて、国内での学会発表を1度、海外においても初年度のNACADAに続きUKAT(英国学修支援者協会)での招待発表を行った。 三年度目(令和5年度)は、前記受講生によるケースメソッド教材をビデオ化し公開した。加えて、この新たなビデオ教材を前年度同様、大学院の正式な授業で使用した。同授業では前年度同様、受講生自らケースメソッド教材を1編執筆した。さらに、成果フィードバックの論文を国際共同研究の形で英語にし、著名出版社であるRoutledge社から発刊したほか、査読付論文2編が新たに採択され、国内外の学会で2度発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、1)わが国の大学における留学相談業務の問題点を調査し、2)その結果を広く国内外に紹介しフィードバックを得ることに加え、3)いわゆるケースメソッドの手法で留学相談専門員の研修・訓練を行い、4)その効果を学術的に明示すると共に、5)その成果についても国内外で広く共有しフィードバックを得ることである。 このうち、三年度目(令和5年度)までの実績として既に1)から3)までを終え、年々その業績数を着実に増やしている。四年度目(令和6年度)には、2)及び3)の実績をさらに重ねつつ、残る課題である4)を達成し、最終年度(令和7年度)に同じく5)を達成する計画となっている。
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今後の研究の推進方策 |
四年度目(令和6年度)の前半には、前年度に大学院授業の受講生が執筆したケースメソッド教材を新たにビデオ化し公開する。さらに8月には、これまでに作成したケースメソッド教材計4編を用いて留学相談専門員を集中的に研修・訓練し、その際の効果を測定する。 最終年度にあたる五年度目(令和7年度)の前半には、ケースメソッドによりさらに5本目のビデオ教材を作成し公開する。併せて、前年度の研修成果測定結果を広く周知するため、シンポジウム形式の会議を開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際共同研究の成果として、Routledge社から『Academic Advising Administration: Essential Knowledge and Skills for the 21st Century』が2023年6月に出版された。このタイミングに合わせ、当該書籍の著者サイン会という形で研究成果の周知・普及イベントが開催されたため米国へ出張する必要が生じた。その際の経費が当初予定していた予算額を上回った。円安等の要因が大きい。
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備考 |
教材用ビデオのため、全4シーンのうち最初の1シーンのみ公開
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