研究課題/領域番号 |
21K02714
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
本間 貴子 国士舘大学, 文学部, 講師 (30845508)
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研究分担者 |
米田 宏樹 筑波大学, 人間系, 准教授 (50292462)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 知的障害教育カリキュラム / キャリア教育 / 職業教育 / 通常教育と知的障害教育の連続性 / 知的障害教育の独自性 |
研究実績の概要 |
研究1年目の2021年度は、日本国内の通常教育と知的障害教育の「共通性」「連続性」を検証した。知的障害教科ならびに教育課程の性格・特徴を示す象徴的教科である「生活科」に焦点を当て、「生活科」と他の各教科等の関わりを、歴史的経緯と現在の学習指導要領における関連性の双方から検討し、その独自性と通常教育を含めた学校教育全体とのつながりを明らかにした。 歴史的経緯の検討では、知的障害教科「生活」は,小学校「生活」よりも,各教科・領域的・発達的・社会的により広い内容として設定されてきたことが明らかになった。各教科への発展・分化を考える際には, 知的障害の学習特性にもとづく各教科の内容設定を踏まえた検討が必要であることが示唆された。 現在の学習指導要領における知的障害「生活科」と通常学習指導要領の検討では、知的障害生活科と小学校生活科は大目標が共通するが、知的障害生活科の内容は、単純に小学校生活科と繋がるのではなく、特別活動・体育・家庭・生活・社会・道徳 にも共通する文言・内容があることが明らかになった。知的障害教科「生活」と小学校生活科についてカ役割、コ社会の仕組みと公共施設、サ生命・自然の指導について共通性を見いだすことができた。しかしキ手伝い・仕事、ケきまりなど基本的な技能の獲得が知的障害教科「生活」でなければ扱えない知的障害独自の指導目標・内容であることが示唆された。詳細を比較すると知的障害生活科の内容である基本的・初歩的な技能の獲得が小学校学習指導要領では扱われていないなど、知的障害生活科の独自性も見られた。 知的障害教育では、キャリア教育に関連する手伝い・仕事・きまり等の内容を小学部段階から「生活科」において実施している特徴が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に示した1年目の研究内容「日本国内の通常学校教育と知的障害教育における共通性と連続性の検討」についておおむね順調に進展している。知的障害教育では、キャリア教育に関連する手伝い・仕事・きまり等の内容を小学部段階から「生活科」において実施している特徴が明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、日本の知的障害教育学習指導要領の「職業・家庭」の内容の独自性と通常学校の学習指導要領との共通性を歴史的側面と現在の学習指導要領におけるつながりの双方を検討することで明らかにする。さらに、通常教育カリキュラムアクセスを先行する、アメリカ合衆国、イギリスの知的障害対象のナショナルカリキュラムの事例を検討することで、通常教育へのカリキュラムアクセスにおける知的障害教育カリキュラムの課題を明らかにする。具体的には、ニューヨーク州CDOSカリキュラムにおける知的障害教育の位置づけの検討、イギリス知的障害ナショナルカリキュラムにおける知的障害児に対するカリキュラムと評価に対する課題の検討を行う。以上の検討を踏まえ、キャリア教育における通常教育と知的障害教育の連続性の可能性を考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍という事情により、外部大学の図書館で直接貴重書等の資料を閲覧することができなくなる、共同研究者との対面での打ち合わせを控えるなどの状況が生じたため、旅費として使用を予定していた費用を次年度使用することとした。
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