研究課題/領域番号 |
21K02747
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
高木 正則 電気通信大学, eラーニングセンター, 准教授 (80460088)
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研究分担者 |
森本 康彦 東京学芸大学, ICTセンター, 教授 (10387532)
奥原 俊 京都大学, 情報学研究科, 特定助教 (10754468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 振り返り / 学習計画 / 自己調整 / ダッシュボード / チャットボット / コミュニケーションロボット / 数学教育 |
研究実績の概要 |
2020年度と2021年度に本研究で開発した学習計画作成支援システムを大学の数学基礎科目で利用した結果を分析した.その結果,(1)学習計画の実施を重視した問いかけをするダッシュボードベースの振り返り機能を使うことで,非先延ばし率や学習完了率が向上し,実行可能性の高い学習計画が作成できていたことが示唆された.また,(2)振り返り支援機能に登録された振り返り内容を分析した結果,6割以上の振り返りが計画実施率の改善と目標達成度の改善に関する振り返りであったことが確認された.(3)アンケート結果からは,学習計画の振り返りの際に,学習範囲,計画実施率,学習完了率,学習時間,テストの点数,理解度,振り返り内容等を提示することが有効であることが示唆された.さらに,(4)非先延ばし率,学習完了率,目標達成度,振り返り内容の分析結果から,非先延ばし率と目標達成度の高い学習計画を作成できるようになるためには,振り返りを入力する際のプロンプトとして,確認テストに関する質問や計画通りに学習できた/できなかった原因について深く考えさせる質問を設定すること,また,ダッシュボードと対応づけて振り返りできる機能を提供することが有効であることが示唆された.(5)振り返り内容の分析結果からは,振り返り支援機能のユーザインターフェースと振り返り時の問いかけの内容が変わると,振り返りの質や内容が変化することが明らかになった. また,紙,Googleフォーム,チャットボット,コミュニケーションロボットのそれぞれで振り返りをさせ,振り返りの文字数と内容を比較した.その結果,コミュニケーションロボットを利用した場合,振り返りの文字数が最も多かった.さらに,チャットボットとコミュニケーションロボットを利用した場合,振り返りの根拠や具体的な用語を伴った振り返りが多かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究で開発予定であったシステムを2021年度までに概ね開発することができ,当初の計画よりも早く実際の教育現場でシステムを利用できたため,2022年度に実験結果の分析や本システムの評価を概ね終えることができた.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までに実践した教育現場でのシステムの利用結果等を踏まえ,本研究の評価,分析を重点的に実施する.具体的には,学習記録データの分析結果だけではなく,見通しをもって粘り強く学習に取り組んだ活動や,自己の学習活動を振り返って試行錯誤しながら次の学習の改善につながったプロセスをも可視化するダッシュボード機能を検討する.また,ダッシュボードと振り返り支援機能を大学の授業で利用した結果を分析し,学習者の自己調整力の向上に役立つ情報や必要な支援を明らかにする.さらに,教員・TA・SA・保護者等が対話エージェントとの対話内容やダッシュボードの内容を確認したうえで,各学習者に個別最適化された指導・助言をできるか検証する.その他,これまでチャットボットを利用していた振り返り支援機能を音声対話スピーカーやコミュニケーションロボットに応用可能かどうかについても検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により,予定していた研究打ち合わせや研究会等をオンラインで実施できたため,支出予定であった参加費や旅費を使用しなかった.繰越金については,研究成果の公表のための費用(HP制作費や国際学会・査読付き論文誌への掲載費等)に上乗せして活用する.
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