研究課題/領域番号 |
21K02806
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研究機関 | 植草学園大学 |
研究代表者 |
金子 功一 植草学園大学, 発達教育学部, 講師 (80781517)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 大学生 / 友人関係 / 動機づけ調整方略 / 自己価値の随伴性 / 学習効果 |
研究実績の概要 |
研究成果論文1本,学会発表1本で公表した。 大学入学時における友人との動機づけ調整方略の変容を捉える上で,動機づけ調整方略に影響を及ぼす動機づけ変数の「自己効力感」が重要な役割となりうると考え,学会発表を行い,研究成果論文を執筆した。 特に研究成果論文では,大学生158名 (男性:37名;女性:121名) を対象に,学習場面外におけるボランティア活動における職業観,自己効力感等に関するオンライン調査を行った。その結果,ボランティア活動における職業観の「やりがい」や「経済的安定」は,進路選択に対する自己効力を媒介し,友人との葛藤解決効力感に有意な正の影響を与えていた。また,「人間関係」は直接,友人との葛藤解決効力感に有意な正の影響を及ぼしていた。本研究の結果は、学習場面外における職業選択において職場の良好な人間関係を求めることは,友人との葛藤を適切に解決できる効力感につながることが示された。したがって本研究で絞められた結果は,動機づけ変数の「自己効力感」が重要な役割を示す研究知見と考える。 今後は,学習場面における動機づけ調整方略と自己効力感に着目した研究を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の進捗状況について、友人との動機づけ調整方略や自己価値の随伴性に及ぼす学習成果に関する要因の整理,及び動機づけ調整方略や自己価値の随伴性と学習成果要因間の影響プロセスを詳細に予測,検討する必要があるため,「(3)やや遅れている」と判断した。 ただし,こうした研究の遅れを補うため,2022年1月から4月にかけて,大学生を対象にGoogleフォームによる調査を実施した。この調査結果について,IBMSPSSやAmosを活用した相関分析,重回帰分析,共分散構造分析等の分析を行った上で,2022年8月に行われる日本教育心理学会総会などの学会で報告したい。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,2022年1月から4月にかけて,Googleフォームによる調査を実施した。この調査結果について,共分散構造分析等を行った上で,学会発表を行う予定である。また,友人との動機づけ調整方略に関する新たな尺度構成に向けた調査の実施を計画している。 2022年度は,上記の調査結果の公表と新たな尺度構成の調査の実施と分析を行う予定である。その上で,2023年度における大学入学生への縦断的な調査の開始に向けた調査項目の選定,及び分析方法を詳細に検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度には,調査データの分析のための物品を購入した。2022年度には,調査データを保存するためのHDDやUSBなどの物品の購入費用が必要である。
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