本研究は,PTSDの診断基準を満たす成人を対象に,オンラインで慈悲とマインドフルネス瞑想からなる12週間の肯定的トレーニングを行い,症状の改善状況を診断面接と質問紙指標で検討した。800名程度の応募者のうち参加基準を満たした50名程度の参加者に関して、12週間の介入を実施したところ、事前と事後の構造化面接で評価した改善度では90%を超える参加者で効果が得られていた。また、自己報告式のPTSD症状でも改善が認められ、第3者インタビューでも参加者の満足感は高かった。以上から,肯定的感情トレーニングは,症状面と満足度の観点から,PTSDの症状改善に一定の効果があると考えられる。
|