研究課題
基盤研究(C)
粒子系の典型例である zero-range process のスペクトルギャップのオーダーの詳細な評価を行った。先行研究として、摂動に強いマルチンゲール法を用いて、粒子数密度に依存しないスペクトルギャップの評価方法があったが、この方法を拡張して、粒子数密度に依存したスペクトルギャップの評価を行うことは今までできていなかった。本研究では技術的な仮定を置く必要があるが、この拡張に成功し、粒子数密度に依存したスペクトルギャップの評価を得る方法を得た。
確率論
確率過程論においてスペクトルギャップはその確率過程の重要な基本的特性量であり、その詳細評価はそれだけでも十分な意味を持ちますが、特に粒子系の確率過程で、時間―空間に関するスケール極限を行う場合にはスペクトルギャップの評価を必要とします。興味深いスケール極限に関する結果の中には、スペクトルギャップの評価を仮定すれば成り立つとするものもあり、今回の結果により適用範囲が増えたことになり意味のある結果となります。