研究課題/領域番号 |
21K03307
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
宇佐美 広介 岐阜大学, 工学部, 教授 (90192509)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 常微分方程式 / 漸近挙動 / 準線形 |
研究実績の概要 |
主として常微分方程式の定性的理論,特に漸近理論について研究成果を挙げることができた.具体的には以下である: 1.摂動を伴った半分線形常微分方程式の非自明解の時刻∞における漸近形の導出. 解の性質が十分に分かっている定数係数2階半分線形常微分方程式の係数部分に摂動項を付した方程式を考察した.非自明解の時刻∞における漸近形が摂動に応じてどのように変わるか(あるいは変らないか)を考察した. 2.高階準線形常微分方程式の特異強増大解の存在性の判定,及びその挙動. 準線形 n 階常微分方程式(n≧2)の正値解の中で,存在域の端点で強い増大度を持つようなものを考察した.そのような解の存在・非存在のための条件を見出した.また.そのような解の存在域端点における増大度評価も与えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主目的の1つである準線形常微分方程式,特に半分線形2階常微分方程式の解の漸近形の導出に成功したので.
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今後の研究の推進方策 |
1.引き続き,摂動項を付した半分線形常微分方程式の非自明解の漸近形解明の研究に取り組む. 2.上記1の研究はその方程式に付随した一般化リッカチ型微分方程式の解析に依るところが大きい.その手法は準線形楕円型偏微分方程式にも応用可能と思われるのでその方面での研究にも着手する. 3.上記1の研究では扱えなかった準線形常微分方程式の非自明解の漸近形解明の研究にも取り組む.特に,従来の研究では扱えなかった「臨界的な場合」に取り組む.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由として一番大きいのは,申請の段階で参加,あるいは企画立案を予定していた種々の研究集会が新型感染症の蔓延防止のために中止になったり,規模を縮小してのリモート開催となってしまったことである.また,勤務校での研究交流も移動制限に伴い殆ど実施できなかった.他の案件も込めて十分な対面での研究交流ができなかった. 使用計画としては,まず比較的交流が可能な共同研究者との単独の研究交流(これはあまり感染症の蔓延防止対策には影響されない)を増やし深く情報交換をしていきたいと考える.(通常は一対一での研究交流はあまりできない.) 更に,今年度後半には可能ならば研究集会の企画立案を行い,関連分野の研究者との交流を積極的に推進したいと考えている.
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