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2023 年度 実施状況報告書

時間遅れが引き起こす空間経済モデルの解の振動性と不安定性

研究課題

研究課題/領域番号 21K03331
研究機関大阪公立大学

研究代表者

山岡 直人  大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (90433789)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード空間経済モデル / レプリケータ方程式 / 賃金方程式 / 安定性
研究実績の概要

賃金方程式とレプリケータ方程式から構成される Dynamic Dixit-Stiglitz-Krugman(DDSK)モデルを考えた。この空間経済モデルのパラメータはいくつもあるが、特に、地域の数と農業労働者のパラメータに着目した。問題を単純化するために、地域の数は二つに限定した。また、2地域の DDSK モデルの解が存在する基本的な条件を仮定し、それぞれの地域に農業労働者のパラメータ値を均等に割り振った。このような設定のもとで、時間の経過とともに、DDSK モデル の解である工業労働者が内部平衡点に収束するための十分条件を数学的に証明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本来の計画では、DDSK モデルに時間遅れを導入し、その影響を数学的に調べることであった。時間遅れがない DDSK モデルでは、工業労働者の人口が一定であることが数学的評価において重要な役割を果たし、これにより解の漸近挙動が解析できた。しかし、時間遅れを含む DDSK モデルでは、工業労働者の人口を一定に保つための条件を明確に導出できず、これが解析の大きな障害となった。特に、時間遅れによる解の振動性や不安定性の発生が予想されたが、これを数学的に証明することは困難であり、結果として時間遅れを含む DDSK モデルの解の漸近挙動を適切に解析できなかった。

今後の研究の推進方策

時間遅れを含む DDSK モデルの数学的な解析は非常に難しいことが判明したため、元のモデルの本質を損なわない範囲で簡易的なモデルを用いて、時間遅れの影響を数学的に調べる。また、時間遅れがない DDSK モデルを3地域以上で扱い、複数地域に収束するための条件を考察する。

次年度使用額が生じた理由

旅費と数値実験補助の大部分が未使用となっているため、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Asymptotic behavior of solutions of two-region dynamic Dixit-Stiglitz-Krugman model with the discrete-time variable2023

    • 著者名/発表者名
      N. Yamaoka
    • 学会等名
      28th International Conference on Difference Equations and Applications (ICDEA 2023)
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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