研究課題/領域番号 |
21K03358
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
清水 泰隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70423085)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レヴィ過程 / モンテカルロ法 / 疑似パス生成 / パス依存型汎関数 |
研究実績の概要 |
金融派生商品や保険負債のようなもの原資産がレヴィ過程によって駆動される飛躍型確率過程に従う場合を想定し,そのパス依存型の期待値として表現されるようなリスク量の具体的な数値計算方法について考察した.離散観測される隣り合う時刻間の増分の順序をランダムに入れ替えることにより,擬似的なパスを発生させてモンテカルロ法を行う手法を昨年度提案したが,それを用いて具体的なリスク量の計算へと応用した. 研究では,資産が一定額を超えた場合に配当を出すような配当戦略を考える際の最適な配当水準を求める場合,破産までの累積配当額の期待値を最大化するような閾値の推定量を提案手法によって計算した.これらの推定量が,サンプルが増えるに つれて,真の期待値に収束することが観察されることを示し,実用に耐えうる手法であることを例証した. また,同様の手法が,保険破産理論で用いられるGerber-Shiu関数などにも応用可能であり,その方面での応用実証についても研究中である.これらの解析では,特に,原資産モデルとして用いるレヴィ過程のスケール関数の推定理論が必要になるので,その理論研究についても進めているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進んでいたが,最後の研究完了が少し遅延し,学会等での報告ができなかったので, 計画を少し伸ばし,次年度にその成果発表を行う.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度できなかった成果発表を今年度の国内学会にて行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗の遅れにより,予定していた国内学会ので発表ができなかったため.これを次年度に繰越て発表を行う予定である.
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