研究課題
基盤研究(C)
物性物理学において高圧力は新規物性探索およびその電子状態解明の有力な手法として広く用いられている。本研究では高圧力下での熱物性測定法の開発と精密化により、スピンや軌道、価数不安定性による新奇な量子相の解明と開拓を目指した研究を行った。高圧力制御による系統的な研究により、非従来量子臨界現象を示す典型物質と共通する興味深い特徴を明らかにすることに成功した。また、希土類元素を含む熱電材料の特性を向上させるための指針が得られた。
高圧力物性
本研究の成果は非従来型の量子臨界現象の起源解明に加えて、希土類化合物における高い熱電特性の高圧力制御による理解という点で当該分野の進展に寄与するものである。特に、希土類元素を含む熱電材料に関して高い熱電特性を得るための指針が得られたことは新規材料開発のための重要な成果である。また、本研究を通じて培われた高圧力下での熱物性測定法は幅広い物質系における新奇物性の開拓に有用であり、この学術的意義は大きい。