負の誘電異方性をもつ液晶材料にイオンを混合し、絶縁性の高い界面で閉じ込めて電圧を印加すると独特のパターン形成を観察することができる。この現象のメカニズムを明らかにするために、本研究では試料セルに対して電気インピーダンス測定を実施した。電気インピーダンスの周波数依存性から試料セル内部の電圧降下を定量的に見積もった。解析の結果、液晶のパターン形成が観察される際に液晶部分に印加されている電圧は、通常の再配向転移に必要な電圧値とほぼ同等であることが示された。得られた実験事実に基づいて系を記述する方程式を仮定し、数値シミュレーションを実施したところ現象を再現できることが分かった。
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