研究課題
基盤研究(C)
慣性核融合炉では100 m/s以上という高速での燃料供給が必要とされている。さらに高速点火方式で用いられる燃料は非対称の複雑な形をしており、これを正確に所定の姿勢でレーザー照射点に供給するための射出技術が求められている。本研究では電磁石コイルの磁力を用いて燃料を射出する装置を製作、電磁石コイルに電流を印加するタイミングを最適化することで、効率的に燃料を加速できることが確認された。また、射出後のターゲットの飛行姿勢を高速度カメラで撮影し、加速方法、減速方法の最適化を行った。
核融合学
本研究により、電磁石コイルを用いた燃料射出装置の原理実証が成された。また効率的に燃料を加速するためには電流パルスの波形と印加タイミングを制御することが必要であることが明らかとなった。これらの結果により将来の慣性核融合炉に必要な射出装置の設計指針が得られた。保護容器を用いる本方式は燃料の形状によらず射出することが可能であるため、本研究で得られた知見はその他方式の核融合装置にも貢献しうるものである。