がん細胞へのプラズマ照射は,副作用が少なく低侵襲な新規がん治療法として有望視されている。大気圧プラズマにより生成される高エネルギーかつ高密度の活性種は,薬剤抵抗性を示すがん細胞に対しても効果的であるが,すべての部位に適用可能なプラズマ直接照射法は開発されていない。本研究では,多孔質膜により液相と気相を分離することで,生体内のがん細胞の部位によらずプラズマを照射できるプラズマ源の開発に取り組み,ヒト肝芽腫由来細胞へ与える影響を明らかにした。手軽にかつ高度に制御された低温化学反応場を提供することで,国内外で大きな社会問題となっているがん疾患に対し,創薬に代わる新たな治療法の確立が期待される。
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