研究課題
基盤研究(C)
組織サンプル内の細胞核の分布を3次元的に可視化するために、新しい高空間分解能位相コントラスト撮像法(X線回折波2重撮影法)を提案した。また、本撮像方式に基づくCT撮像システムを開発し、高エネルギー加速器研究機構(KEK)フォトンファクトリーBL14Bビームラインに構築した。この装置を用いて、物理ファントムや腫瘍を含む生体組織の撮像実験を行い、本撮像法の空間分解能や描出能を評価した。
医用画像工学
この撮像方式により、病理学分野では3次元で差異がある乳癌の篩状構造と良性の乳管過形成の診断精度を向上できる可能性がある。また、非浸潤癌が浸潤癌に切り替わる様子の可視化にも期待できる。他分野への波及効果では、例えばリチウム固体電池の性能劣化で課題となっていた電解質にリチウムが析出する様子を可視化でき、新しい電池の技術開発に貢献できる可能性を持つ。