研究課題/領域番号 |
21K04128
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
向井 正和 工学院大学, 工学部, 准教授 (50404059)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 車両挙動予測 |
研究実績の概要 |
本課題は,自動運転システムのために適した車両の挙動予測法を構築することを目的とする.ここでは,ドライバーは何らかの有限時間の最適化に基づいて運転をしているのではないかという考えをもとに,他車両のドライバーの運転を特徴付ける関数を明らかにする.つまり,最適化問題を構成する評価関数と拘束条件とを,ドライバーが暗黙に有している条件に近くできれば,最適化の結果として得られる運転挙動が近くなると考え,適切に構成した評価関数とバリア関数を用いた最適化問題を解くことで,他車両の挙動予測を行う.初年度としてつぎの2つの課題について取り組んだ. 課題1:運転挙動を特徴付ける評価関数とバリア関数の設計 最適化問題におけるドライバーが有する評価関数と拘束条件に用いるバリア関数を求める手法を研究した.ここでは,挙動予測に必要な評価関数と拘束条件(物理拘束とバリア関数)を作成して,実際の道路形状からパラメータを導出して計算機シミュレーションを実施することができた.また,自動車の合流時のドライバーの合流パターンデータをターゲットとして,評価関数の重みと衝突を見積もるバリア関数とを設計して,ドライバーの運転挙動に近い自動運転挙動を作成した. 課題2:道路交通情報から挙動予測を行う手法の構築 道路から取得できる自動車の走行情報,道路形状などの道路交通情報から,対象の車両の挙動を予測するアルゴリズムを構成する.課題1で求めた評価関数と拘束条件を用いて定式化された最適化問題を解くことで,MATLAB/Simulink環境で予測軌道を生成すルことが可能となった.ただし,予測精度はまだ評価できていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2つの課題に対して,他車両との衝突を見積もるバリア関数の設計を行い,挙動予測アルゴリズムを作成することができた.予測精度の課題は残るものの,実際の道路形状のパラメータを使用してシミュレーションを実施することができているため概ね順調であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
後は達成できた課題の結果を生かして次の課題に取り組む. 課題2:道路交通情報から挙動予測を行う手法の構築 今年度作成した予測アルゴリズムを用いてドライバーの挙動予測の精度の検討を行う. 課題3:交通流シミュレータを用いた検証 交通流シミュレータを用い,現実の道路データを反映させて道路環境を作成し,シミュレーションを実施して効果を確認する.さらに車両挙動の実測データを収集して,入力することで,課題2で構築した予測アルゴリズムを実装する.車両挙動の実測データと提案予測アルゴリズムの結果を比較することで,予測できる時間区間,予測の精度などを明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が想定より必要なくなったため.次年度以降は状況に合わせて文献を購入したりオンラインでの参加を増やすなどして情報収集を実施する.
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