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本研究の目的は、これまで効率的に再利用されることが少なかった放送や通信などで放射されたマイクロ波に着目し、マイクロ波を電源とする「持続可能インフラ監視プラットフォーム」を実現することである。これまで知られているインピーダンス整合回路は、負荷インピーダンス値の複素共役となるように設計され、伝達される電力が最大となる。しかしながら申請者が提案する整合回路は、出力側が直流回路であることに着目することで、インピーダンスの複素数の概念を取り除き、電力ではなく電圧振幅のみを整合させる新たな回路である。
本年度はこれまで開発した、回路との整合性がより差動入力によるダイポールアンテナを基本とした広帯域で動作する平面アンテナ、及び作動型で2倍の出力を得ることができる梯子型多段エネルギーハーベスティング回路の接続を行い一体化した。アンテナ及びエネルギーハーベスティング回路とも電子機器において標準で使用されているFR4基板としたため、容易に一体化設計ができた。高周波信号の電力損失を抑えるため、π型のインピーダンス整合回路をプラス側とマイナス側に接続し、また、素子数を削減するため、両極の整合回路を一体化させてた。
本回路の妥当性を示すフィールド試験を下記の通り実施した。900MHz帯RFICタグシステムに用いられる送信アンテナを送信源とし、実験室天井に配置した。その直下1.7ｍの机の上に提案したエネルギーハーベスティングシステムを配置した。直流出力には温度・湿度センサが一体となったBuletooth low enery module、蓄電用スーパーキャパシタを接続した。えられたシステムにより、電池無しで定常的な温度測定及びデータ転送が確認でき、本システムの有用性が示唆された。
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