社会基盤構造物の効率的な維持管理が求められている中で,本研究は,軽量で,耐久性にも優れるFRPを用いた,既設鋼構造物の補修・補強方法を提案するものである.未硬化の強化繊維を施工現場に持ち込み,VaRTM(真空含浸工法)と呼ばれる成形技術で,強化繊維に樹脂を含浸・接着することで,FRP部材の高度利用による既設鋼構造物の補修・補強技術の開発を目的としている.本研究では,(1)鋼部材との接着接合部の強度,耐久性を検討するとともに,(2)FRP部材の積層構成・断面剛性を実験的・解析的に検討して,補修・補強が必要とされる鋼部材に対して,効率的な接着接合,FRP部材の適切な積層構成・配置を示した.
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