本研究では、BIM設計ツールの軽量化を目指し、2次元の線分・図形と高さ属性でオブジェクト指向のBIMデータに基づいて、空調設備システムの設計ツールを構築する。令和5年度では、3次元JavaScriptライブラリThree.jsを用いてダクト設計における軽量型BIMツールの構築を実現した。BIMツールの特徴は主に下記となっている。 ①距離に応じたモデルの表現方法LOD(Level of Detail)メソッドに基づいて、カメラと設備やダクトなどの距離を計算し、設備要素の詳細モデル(LOD1)と軽量化モデル(LOD0)を適応するように切り替える。②ダクトと設備を接続する際、ダクトと設備要素の設置高さや寸法情報に基づいて、高度や接続の自動計算を行い、継手の自動作成を実現すると同時に、ダクトシステムを構築し、システム風量・ダクト寸法が計算できる。③設備メーカーの製品情報に基づいて、図形・セマンティックなど情報を含む設備要素のデータベースを構築し、設備要素の更新が便利になった。④JSON形式で図面データを保存し、オープンソースIfcOpenShellを用いて、IFC4.3データへの出力を実現した。⑤開発したツールはブラウザで動かせるため、低スペックパソコンやモバイル端末でも活用できる。 また、buildingSMART Internationalが主催したbuildingSMARTサミット2024(スペインバレンシア)にて軽量型空調ダクト設計ツールの開発を発表した。その他に、日本建築学会大会などに論文を3報発表した。
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