研究課題
基盤研究(C)
本研究では,地球温暖化係数の低い次世代冷媒の流下液膜蒸発の熱伝達と流動特性の解明を目的として,HFO系冷媒を対象に,熱伝達率の測定,沸騰気泡,液膜破断および乾き部の形成を伴う液膜の流動様相の観察を行った.また,液膜流量,熱流束および蒸発温度が流下液膜蒸発の熱伝達および流動特性に及ぼす影響を評価するとともに,伝熱面の表面性状,試験流体の種類を変化させた実験を行い,流下液膜の熱伝達に関するデータベースを構築した.
熱工学
環境負荷の小さいHFO系冷媒を試験流体に用いて,沸騰を伴う流動様相の可視化と熱伝達率の同時計測を行い,熱伝達および流動特性に関する詳細な情報を提供した本研究の学術的意義は大きい.さらに,伝熱面の表面性状,試験流体の影響に関する評価結果は,今後の流下液膜蒸発の伝熱促進,蒸発器の性能向上につながると期待できる.